ライフサポート情報
2024.05.09|ライフサポート情報
くしゃみが止まらない…犬や猫にもアレルギーがあるって本当?
春先になると花粉症が辛い…という方も多いと思いますが、実は犬や猫にも人間と同様にアレルギーがあることをご存知でしょうか?
今回は犬と猫のアレルギーについて、くしゃみを引き起こすアレルゲン物質や考えられる疾病などをご紹介します。
■目次
1.アレルギーの種類
2.くしゃみを引き起こすアレルゲン物質
3.犬と猫がくしゃみをしている場合の対処法
4.くしゃみでアレルギー以外に考えられる疾病
5.予防法やご家庭での注意点
6.まとめ
アレルギーの種類
犬と猫の主なアレルギーには、以下の種類があります。
<食物アレルギー>
食物が原因で主に皮膚に痒みが生じる。
<アトピー性皮膚炎>
皮膚に付着したアレルゲンが過剰な免疫反応を誘発して、皮膚のバリア機能が低下し、慢性的に皮膚に強い痒みが生じる。
<アレルギー性鼻炎>
鼻の粘膜から侵入したアレルゲンが原因で鼻炎症状が生じる。
<アレルギー性結膜炎>
目から侵入したアレルゲンが結膜炎を誘発する。
<気管支喘息>
口や鼻から侵入したアレルゲンが慢性的に気道内の炎症を誘発する。
また、くしゃみを引き起こすアレルギーとしては、アレルギー性鼻炎が一般的です。
くしゃみを引き起こすアレルゲン物質
犬や猫のアレルギー性鼻炎の原因となる代表的なアレルゲン物質は以下の通りです。
・スギ科、イネ科の植物の花粉
・ダニの死骸
・カビの胞子
・埃や砂埃
・動物の毛やアカ
・細かい繊維のクズ
アレルギー性鼻炎によるくしゃみの場合は、鼻水が同時にみられることがほとんどです。
鼻水の性状はサラサラとした透明な液体であり、細菌やウイルスが原因の色味がついた粘液性の鼻水とはかなり異なります。
花粉が原因の場合は、花粉が飛散する時期にくしゃみが増えます。
ダニの死骸やカビの胞子などの環境中のアレルゲンが原因の場合は、1年を通してアレルゲンに触れる可能性があり、1年中症状が現れることがあります。
犬と猫がくしゃみをしている場合の対処法
犬や猫のくしゃみの原因にはアレルギー性鼻炎以外にも様々な疾病があるため、飼い主様がご自身でアレルギーが原因と判断することは非常に危険です。
ご自宅内で頻繁にくしゃみをしている場合には、必ず動物病院を受診しましょう。
また、くしゃみには「生理的なくしゃみ」と「病的な(あるいは病気の可能性が高い)くしゃみ」の2種類あります。
特に以下の症状が同時にみられたら要注意というポイントをご紹介します。
<鼻水が黄色〜緑っぽい、粘り気がある、鼻血が混じる>
鼻水が透明でサラサラしていない場合は、鼻腔内に炎症が存在している可能性が高いです。
<左右どちらかの鼻の穴から鼻水が垂れている>
生理的なくしゃみの場合は左右両方の鼻の穴から鼻水が出ますが、左右どちらかの鼻の穴から鼻水が垂れている場合は鼻腔内異物や腫瘍が関連している可能性が高いです。
部屋の湿度が低い場合や掃除が不十分な場合はくしゃみが悪化することがあるため、湿度を50%程度に保つ、空気清浄機を設置する、部屋の掃除を徹底するといったことを意識してみましょう。
くしゃみでアレルギー以外に考えられる疾病
アレルギー性鼻炎以外で犬や猫のくしゃみの原因となる主な疾病は以下の通りです。
・ケンネルコフや猫カリシウイルス感染症、猫ウイルス性鼻気管炎などの
伝染性の呼吸器疾患
・鼻腔内ポリープや鼻腔内腫瘍
・歯周病(歯周病が悪化して上顎に穴が開くと、細菌が鼻腔に到達してくしゃみを引き起こします)
予防法やご家庭での注意点
アレルギー性鼻炎を予防するには、アレルゲンとの接触を避けることが何よりも大切です。
以下にご紹介する方法でアレルギー性鼻炎はある程度予防することができます。
・花粉が原因の場合は花粉が最も飛散する10時〜12時、17時〜18時の散歩はできるだけ控える
・普段からご自宅の掃除を徹底する
・空気清浄機を設置する
・十分な湿度を維持する
まとめ
犬や猫にも人間のようにアレルギー症状が存在し、アレルギー性鼻炎によってくしゃみが発生します。花粉や環境中のアレルゲンがアレルギーの原因となることが多く、普段から掃除を徹底したり花粉が最も飛散する時間を避けて外出するなどの対策を行うことが大切です。
一方で、伝染性の呼吸器疾患や副鼻腔炎、鼻腔内ポリープや腫瘍の刺激などの重大な病気によってくしゃみが引き起こされることもあるため、少しでも愛犬や愛猫の様子に異変を感じたら動物病院を受診してください。
年中無休で動物たちの健康をサポートします
千里桃山台動物病院