Life Support情報 新着
2024.03.12|Life Support情報 新着
フィラリア予防の重要性｜予防って大切なの?
愛犬と暮らす上で、健康管理はとても重要です。特に病気の予防は愛犬と長く生活するためにとても大切なことです。
中でも「フィラリア症」は最悪の場合、命に危険を及ぼす可能性のある重大な病気です。
予防薬を毎年春頃から与えているものの、「本当にその必要があるのか？」「もし犬が感染したらどうなるのか？」といった疑問を持つ人もいるかもしれません。
フィラリア症はきちんと投薬すれば予防できる病気です。
今回はフィラリア予防の重要性について、原因や症状、予防方法などをご紹介します。
■目次
1.原因
2.症状
3.診断方法と治療方法
4.予防法やご家庭での注意点
5.まとめ
原因
フィラリア症は、蚊による吸血行為が原因で発生します。
フィラリア(糸状虫)と呼ばれる細長い糸のような寄生虫によって引き起こされます。この寄生虫は幼虫時には目に見えないくらい非常に小さく、犬の体内で徐々に成長していきます。
蚊がフィラリアに感染している犬から血を吸い取るとき、フィラリアの幼虫も一緒に吸い上げられ、次に別の犬を吸血する際にその犬に幼虫が移されてしまいます。
幼虫の段階では、予防薬で駆除することが可能ですが、成虫に成長してしまうと駆除することが非常に難しくなるため、事前に予防することが非常に重要です。
症状
蚊から移されたフィラリアの幼虫は、心臓から肺へ血液を運ぶ重要な太い血管である「肺動脈」に寄生します。これらの幼虫は徐々に成長し、最終的には最大で30cmほどの大きさに成長することがあります。
初期段階では、幼虫が小さいため症状がみられることはほとんどありません。
しかし、フィラリアが成長し数が増えるにつれて、血液の流れや呼吸機能に影響が起こり始めます。これにより、乾いた咳が出たり、運動後に息切れしたりするなどの症状が現れます。
フィラリアが肺動脈から心臓に移動すると、心臓の弁の一つである三尖弁（さんせんべん）に深刻な影響を及ぼします。それによって循環不全が発生した場合「大静脈症候群」と呼ばれる状態に至ります。この段階になると、腹水がたまっておなかが膨れたり、赤い尿が出たり、少しの運動にも耐えられなくなるなどの重大な症状がみられます。
この状態に至ると、死亡のリスクが非常に高くなります。
診断方法と治療方法
フィラリアの診断には、血液中の幼虫を顕微鏡で確認する方法や、血液を使った抗原検査を行う方法があります。
フィラリア症は治療が非常に難しく、一度感染するとフィラリアを体内から完全に排除することは困難です。
すでに感染が進んで多くの寄生虫がいることが判明した場合、吊り出し法という手術でフィラリアを取り除きます。まだ症状が現れていない初期段階では、駆虫薬を長期間にわたって服用し、徐々にフィラリアの数を減らしていく治療が一般的に行われます。
予防法やご家庭での注意点
フィラリアに感染すると治療が困難になるため、予防が最も重要です。
フィラリア予防には駆虫薬の使用が効果的ですが、予防する期間は地域によって異なります。そのため、動物病院が推奨する予防期間に従って薬を与え続けることが大切です。
注意点としては、駆虫薬を初めて与える際には、まず動物病院で必ず相談し、フィラリアに未感染であることを確認してから飲ませてください。なぜかというと、既に感染している場合、駆虫薬が原因で血液中のフィラリアの幼虫が急激に死滅することで、ショック状態を引き起こし最悪の場合、命にかかわる危険があるためです。
まとめ
犬のフィラリア症は生命を脅かす重大な病気であるため、まずは感染を防ぐことが極めて重要です。しかし、万が一感染してしまった場合の対処法を知っておくことも大切です。
特に、フィラリア症の治療を行うことができる動物病院は限られているため、何か疑わしい症状が見られた際には、動物病院へ相談しましょう。
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千里桃山台動物病院
