Life Support情報 新着
2024.09.06|Life Support情報 新着
獣医師が伝授!|愛犬のジャンプ癖を直すトレーニング法
愛犬が嬉しそうにピョンピョン跳ねる姿は微笑ましいですよね。しかし、ジャンプ癖がついてしまうと足や腰に負担がかかり、場合によっては人に当たって、意図せずケガをさせてしまうリスクもあります。そのため、正しいトレーニング法を知り、なるべく早い段階でジャンプ癖を直すことが大切です。
今回は、犬がジャンプをする原因やジャンプ癖を直すトレーニング法などについてご紹介します。
■目次
1.ジャンプ癖の主な原因と犬の心理状態について
2.原因別のジャンプ癖トレーニング法
3.原因別の具体的なトレーニング方法
4.トレーニングの5段階ステップ
5.よくある質問(Q&A)
6.トレーニング中の注意点と失敗しがちなポイント
7.ジャンプ癖以外の問題行動との関連性
8.まとめ
ジャンプ癖の主な原因と犬の心理状態について
犬は以下のような理由からジャンプ癖がついてしまうことがあります。
・注目欲求
・興奮
・不安やストレス
・遊びの誘い
・不適切な過去の強化(過去にジャンプをしたときに不適切になだめたことにより、それをご褒美だと勘違いしてしまっている状態) など
原因別のジャンプ癖トレーニング法
ジャンプ癖は、しつけで直すことができます。そのためには、愛犬と飼い主様との間にしっかりと信頼関係が築けている必要があります。しつけは何歳からでも可能ですが、順応性が高い子犬期(2-6ヶ月)に行うことが理想だといわれています。
原因別の具体的なトレーニング方法
トレーニングの方法は、ジャンプをする原因によって異なります。
<注目欲求によるジャンプ>
犬は飼い主様に注目をしてほしくてジャンプでアピールをしているため、声をかけてしまうと「要求が通った」と勘違いしてしまいます。そのため、基本的には目を合わせたり声をかけたりせず、無視をしましょう。そしてジャンプをしなくなったらご褒美を与えるようにしましょう。
<興奮によるジャンプ>
興奮している場合も声掛けはNGです。無視をしたり静かで暗い部屋に無言で移動させたり
するなどして、クールダウンさせましょう。また、たっぷり運動することで、余ったエネルギーを発散させ、興奮の閾値を下げるのも一つの手です。
<不適切な過去の強化によるジャンプ>
犬のしつけにおいては犬の混乱を防ぐために、決まったルールを家族全員で一貫して守ることが大切です。そのため、ジャンプをしたときの対応や、ジャンプをしないように気をつけることを今一度家族間で話し合い、新しいルーティーンを確立しましょう。
<不安やストレスによるジャンプ>
不安やストレス(=嫌な刺激)をご褒美などの真逆なものと結びつけることにより、嫌な刺激に対するネガティブな感情を徐々に和らげるようなトレーニングが有効です。例えば、チャイムの音に反応する場合であれば、チャイムの音が鳴ったらご褒美を与えるということを繰り返すと、次第にチャイムに対する不安感やストレスが軽減され、ジャンプもしなくなるというものです。
また、人通りが少なく大きな音がしないような安心できる静かな場所を確保し、不安やストレスを軽減させるのも良いでしょう。
< 遊びの誘いとしてのジャンプ>
飼い主様を遊びに誘おうとジャンプする場合、そのまま誘いにのってしまうと逆効果です。そのため、「遊ぼう」など言葉の合図を決める、あるいは特定のおもちゃを手に持ったら遊びの開始サインとするなどして、遊びの開始は必ず飼い主様が主導となるようにしましょう。
トレーニングの5段階ステップ
トレーニングは、基本的に以下の5段階ステップで進めていきます。
STEP1:基本的な「座る」「待つ」の強化
STEP2:低刺激環境での挨拶トレーニング
STEP3:徐々に刺激を上げての般化トレーニング
STEP4:実際の来客場面でのトレーニング
STEP5:長期的な維持と強化
ただし、一気にステップアップしようとせず、ゆっくり時間をかけて行うようにしましょう。
よくある質問(Q&A)
Q.:トレーニングにはどのくらいの期間がかかるの?
A.:年齢や犬種、性格などによって異なりますが、3〜6ヶ月くらいかかる子が多いようです。
Q.:老犬でもジャンプ癖は直せる?
A.:老犬でも直せますが、若い時と比べてトレーニングに時間がかかります。
Q.:複数犬がいる場合のトレーニング方法は?
A.: 基本的に1頭ずつトレーニングを行います。ただし、待っている犬は自分も飼い主様にかまってほしくてジャンプしてしまうこともあるため、トレーニング中は別の部屋で待機してもらうようにしましょう。
トレーニング中の注意点と失敗しがちなポイント
前述した通り、トレーニングには一貫性が必要です。そのためには家族全員の協力が必要であるため、あらかじめしっかりと話し合いを行い、それぞれがルールを守るように心がけましょう。
ジャンプ癖以外の問題行動との関連性
ジャンプ癖のある犬は、自信の欲求が満たされていないケースがほとんどです。そのため、過剰な吠え癖など、欲求を満たそうとさまざまな問題行動を起こします。
また、主従関係がしっかりと築かれていないケースも多く、散歩中に引っ張り癖が見られるなど、犬が主導となってしまうこともあります。
そのため、ジャンプ癖やそれ以外の問題行動が見られる際は、先程ご紹介した基本的な5段階ステップを踏み、徐々に直していきましょう。
まとめ
犬のしつけはとにかく根気が必要で、継続的にコツコツトレーニングしなければなりません。しかし、基本のしつけができていれば問題行動がでてきた時にすぐに直すことができ、問題行動によるトラブルを防ぐこともできます。
当院でもパピー教室を開催していますので、愛犬のしつけでお困りのことがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
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