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2024.05.09|ライフサポート情報
犬と猫の異物の誤飲について|対処が遅れると命に関わることも
愛犬や愛猫が何かを誤って飲み込んでしまい、急いで動物病院へ連れて行ったことがあるという飼い主様は決して少なくありません。
このような誤飲誤食は最悪の場合、中毒や胃腸炎、腸閉塞などを起こし、命にかかわることもあるため、発生を予防することが何よりも大切です。
そこで今回は犬と猫の異物誤飲について、よく誤飲してしまうものや誤飲してしまった場合の治療方法などをご紹介します。
■目次
1.犬や猫がよく誤飲してしまうもの
2.誤飲誤食すると現れる症状
3.診断方法
4.治療方法
5.予防法やご家庭での注意点
6.まとめ
犬や猫がよく誤飲してしまうもの
犬や猫は好奇心旺盛で、よく物を口にする習慣があり、予想外のものを飲み込むことがあります。特に子犬や子猫は新しいものへの興味が強く、誤って物を飲み込むリスクが高まります。
そのような誤飲によく見られる代表的なものとしては下記が挙げられます。
・おもちゃ
・紐
・イヤホン
・電池
・竹串
・鳥の骨
・チョコレート
・玉ねぎ
・観葉植物
・ペットシーツ
・人用の薬 など
誤飲誤食すると現れる症状
食べた物とその量によって異なりますが、中毒を引き起こした場合に下記のような症状が発生します。
・嘔吐
・下痢
・食欲不振
・活力の低下
・痙攣
・血便
・よだれが多く出る
・呼吸の困難
・意識障害
最悪の場合、命に落としてしまうケースもあります。
また、おもちゃや竹串、紐などの異物を誤飲した際には、腸閉塞や消化管穿孔といった生命を脅かす危険な状態に陥ることがあり、緊急手術が必要となる場合があります。
診断方法
触診や腹部のレントゲン検査、エコー検査、内視鏡検査、血液検査などが行われます。
また、対処が遅れると命に関わる場合があります。獣医師の判断の元、無症状だったり、危険性がなかったりする場合はそのまま様子を見ることもありますが、飼い主様の判断で様子を見ることは避けましょう。
治療方法
治療方法は、飲み込んだ異物の種類や症状によって変わります。
症状がなく、異物による危険が見られない場合は経過観察することもありますが、基本的には異物を除去することになります。
食道や胃に留まっている異物を吐き出せる状態であれば、催吐処置が選択されます。
しかし、異物が鋭いなど消化管を傷つける恐れがある場合は、内視鏡による異物の回収が行われます。
※内視鏡はそれ以外にも胃や腸の中の詳細な検査に役立ちます。
異物が腸まで達し、閉塞による腸の一部壊死があるなどの場合は、開腹手術で異物を取り除き、必要に応じて壊死した腸の部分を切除し繋ぎ直す手術が実施されます。
治療方法には様々なものがあり、インターネットなどで催吐方法を見つけることが可能ですが、不適切な対応が原因で悪化させることもあるため、誤飲が疑われる際は自己判断せず、速やかに動物病院に相談することが重要です。
予防法やご家庭での注意点
誤飲誤食は病気ではなく、「事故」です。これは飼い主様の対策によって、多くの場合予防が可能です。家の中で犬や猫の手が届く場所に物を放置しないこと、散歩時には犬や猫が地面のものを口にしないよう注意を払うなど、予防策を講じることが大切です。
まとめ
犬や猫が誤って物を飲み込んだ場合、飲み込んだ物質や量によって必要な対応が大きく変わります。誤飲直後であれば、手術をせずに済む可能性が高くなりますので、誤飲に気付いたらすぐに動物病院を受診することが大切です。
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