ライフサポート情報
2024.09.06|ライフサポート情報
獣医師が伝授!|愛犬や愛猫に薬を確実に飲ませるコツと注意点
犬や猫に薬を飲ませることは一般的にとても難しく、苦労される飼い主様が多いです。特に警戒心が強く繊細な犬や猫に無理やり与えると、ストレスになり関係性の悪化やフードの拒否など悪循環に陥ることもあります。
今回は、愛犬や愛猫に薬を確実に飲ませるコツと注意点についてご紹介します。
■目次
1.薬の種類別の与え方とコツ
2.薬を与えるのが難しい子の場合
3.薬を与えるときに知っておくべき注意点
4.よくある質問
5.まとめ
薬の種類別の与え方とコツ
<錠剤・カプセル>
左右上顎の犬歯の後ろに指を入れて口を開かせ、もう片方の手で薬をできるだけ喉の奥に入れます。吐き出す前に口を閉じ、鼻先を上に向けて喉をさすると飲み込みやすくなります。また、薬を口に入れたあと、スポイトなどで口の中に少量の水を入れても飲み込んでくれます。これらの方法が難しい場合は缶詰やパウチなどのウェットフードに隠すか、投薬補助用のおやつに包むといった方法もあります。
<液体薬>
スポイトやシリンジ(針の付いていない注射器)を口の端(口角)から口内に入れ込み、喉の方に向かって薬を入れます。口の先から入れるとすぐに吐き出してしまうため、口角から入れることがポイントです。
<粉末薬>
水や好んで飲んでくれそうな飲み物に溶かし、液体薬と同様に与えます。また、少量の水を加えて練り、お団子のようにして錠剤と同様の方法で与えることもできます。ウェットフードに混ぜたりドライフードに振りかけたりしても良いですが、敏感な犬や猫はフードに嫌な記憶が残り食べなくなることがあるため注意しましょう。
<目薬・点耳薬>
目薬は正面からさそうとすると怖がることがあるため、後頭部から目の中に落とすイメージで点眼しましょう。目薬を持っていない方の手で下顎を固定するとさしやすいです。
また、点耳薬は耳道をまっすぐにするイメージで少しだけ耳たぶをひき、耳の穴の中に薬をいれるようにします。
<外用薬(軟膏などの塗り薬)>
外用薬を塗った後に犬や猫が舐めたりこすったりしてしまうと効果が減弱してしまいます。そのため、散歩や食事の前など、塗布後に犬や猫の意識が逸れるタイミングで塗りましょう。塗る際はあまりこすらず、優しくトントンと塗ってください。
薬を与えるのが難しい子の場合
犬や猫にどうしても薬を与えることが困難な場合は、注射での投薬方法があります。薬の種類によっては1度の注射で数日から数週間効果があるものもあります。しかし全ての薬剤に注射薬があるわけではなく、半日や24時間で効果がなくなるものが大半です。
また病院で注射を打たれることは犬や猫にとって少なからず負担になります。そのため、極力自宅での投薬ができるようにしましょう。
薬を与えるときに知っておくべき注意点
薬は冷暗所保存、遮光での保存など保管方法が決まっているものもあります。処方時の説明通りに保管し、分からないことがあれば動物病院に確認しましょう。また薬には副作用がでやすいものがあります。処方時に獣医師から説明があった場合、しっかりと聞いて不明点は明白にしておきましょう。投薬中に犬や猫の体調に異変が見られた場合は、すぐに動物病院に連絡してください。
よくある質問
Q: 薬を吐き出してしまった場合はどうなりますか?
A:吐き出してしまった薬の量を確認し、ほぼ全て吐き出している場合は飲ませなおしてください。吐き出した量が不明で、どれくらい飲めているか分からないときは動物病院へ連絡して指示を仰いでください。
Q:投薬を忘れたときはどうすればいいですか?
A:投薬忘れに気がついたタイミングによります。投薬すべき時間から数時間以内に気がついた場合は、通常の指示通りに服用させてください。次の薬を飲ませるタイミング付近で気がついた場合は、そのときに飲ませるべき薬を指示通りに服用させてください。
また、忘れていた分の薬を次の薬とまとめて飲ませてはいけません。判断に迷う場合は動物病院へ連絡し獣医師の判断に従いましょう。
まとめ
犬や猫への投薬は始めは難しく感じますが、慣れてきてコツをつかむことができ、その子に合った投薬方法を見つけられれば、スムーズな投薬が可能です。薬の飲ませ方をマスターして、投薬治療のストレスをなくしていくことが大切です。
年中無休で動物たちの健康をサポートします
千里桃山台動物病院