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【完全版】犬や猫の誤飲対応フロー|緊急時の判断基準と写真で見る実例集

犬や猫は好奇心旺盛な動物です。そのため、日常生活の中で誤って異物を飲み込んでしまうことがあります。飼い主様の目を離した一瞬の隙に、誤飲事故が発生することも少なくありません。

 

犬や猫が誤飲してしまった場合、「このまま様子を見て大丈夫?」「すぐに動物病院に連れて行くべき?」など、こうした疑問を抱えたことがある飼い主様も多いのではないでしょうか?万が一異物誤飲をしてしまったら、直ちに状況を判断し、適切に対応することが重要です。

 

今回は、愛犬や愛猫が誤飲してしまった場合の緊急時の対応フローや、当院で遭遇した実例を症例写真付きでご紹介します。

 

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■目次
1.緊急時の対応フロー
2.診断方法・治療方法
3.当院での事例(写真付き)
4.まとめ

緊急時の対応フロー

犬や猫が誤飲してしまったら、まずは落ち着いて状況を確認し、以下のフローに沿って適切に対応しましょう。

 

■STEP1:まず確認すること

以下の症状が1つでも見られる場合は、迷わず動物病院へ連絡し、すぐに受診してください。

 

<危険な症状>

・呼吸が苦しそう
・嘔吐が止まらない
・意識がぼんやりしている
・お腹を痛がってうずくまっている
・誤飲した直後から元気がない

 

■STEP2:誤飲した物の確認

何を誤飲したのかを確認し、危険度に応じて適切な対応をしましょう

 

<img src="犬や猫の誤飲対応フロー_危険度.png" alt="犬や猫が誤飲しやすい物の危険度を示す表。危険度が高い順に、紐・イヤホン(腸閉塞や腸壊死のリスク)、竹串・割り箸・鳥の骨(消化管穿孔のリスク)、ボタン電池・アルカリ電池(消化管炎症や穿孔のリスク)。大量に食べると危険なものは、チョコレート・ねぎ類・キシリトール(中毒のリスク)、ペットシーツ(腸閉塞のリスク)。種類によって危険なものは、おもちゃ・観葉植物・人用の薬(閉塞や中毒のリスク)とされている。" />

 

これらはあくまで一例であり、専用のフード以外のものはすべて誤飲をするとリスクを伴う可能性があるということを念頭においておきましょう。

 

■ STEP3:行動判断

最後に、病院を受診すべきかどうかを総合的に判断します。

 

<すぐに病院へ行くべき場合>

・危険な症状が出ている
・「即受診が必要な危険物」を飲み込んだ

 

<すぐに病院へ相談すべき場合>

・何を飲んだのか分からない
・症状はないが、心配である

 

<様子を見る場合>

・危険物ではないものを飲み込んだ
・症状がなく、元気にしている

 

※ただし、様子を見る場合でも24時間は定期的に様子をチェックし、排泄物の中に異物が混じっていないかよく確認してください。そして、少しでも異変を感じたら、すぐに動物病院を受診することが大切です。

 

当院の緊急連絡先はこちら:06-6190-5100

 

診断方法・治療方法

まずは問診や視診、触診などを行い、症状を確認します。

 

次に、腹部のレントゲン検査やエコー検査、血液検査などを行い、異物の種類や位置、全身状態などを確認します。場合によっては、全身麻酔をかけてCT検査や内視鏡検査が必要になることもあります。

 

治療方法は、飲み込んだ異物の種類や症状によって異なります。症状がなく、危険性がないと判断された場合は経過観察することもありますが、基本的には催吐処置や内視鏡、開腹手術などによって異物を除去することになります。

 

 

・詳しい治療方法についてはこちらの記事でご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
犬と猫の異物の誤飲について|対処が遅れると命に関わることも

 

当院での事例(写真付き)

異物誤飲で当院を受診し、実際に治療を行った事例をご紹介します。

 

<事例1>

犬種:パグ
年齢:6か月齢
性別オス

 

2週間ほど前から嘔吐があり、他院で吐き気止めなどによる治療をしていました。薬を飲んでいる間は嘔吐が治まっていたものの、休薬すると嘔吐が再発してしまうため、精査を目的に当院を受診されました。

 

レントゲン検査では特に問題はなかったものの、CT検査を行った結果、胃の中にトウモロコシの芯を疑う異物が認められました。

 

<img src="CTでの胃内異物.png" alt="犬または猫の腹部CT画像。右側の胃の中に異物が認められ、青い矢印で示されている。" />

CTでの胃内異物

 

そのため、内視鏡下で異物の摘出を行いました。

 

<img src="内視鏡下でのトウモロコシの芯.png" alt="犬または猫の内視鏡画像。消化管内にトウモロコシの芯が詰まっている様子が確認できる。" />
内視鏡下でのトウモロコシの芯

 

<img src="内視鏡下で摘出したトウモロコシの芯.png" alt="犬または猫の内視鏡手術で摘出されたトウモロコシの芯。スケール上に置かれており、大きさがわかるようになっている。" />

内視鏡下で摘出したトウモロコシの芯

 

<事例2>

犬種:ミニチュア・ピンシャー
年齢:2か月齢
性別:オス

 

前日にマグネットを飲み込んでしまったとのことで来院されました。特に症状は認められていないものの、レントゲンで胃内に異物のようなものが認められました。

 

<img src="レントゲン(仰向け)での胃内異物.png" alt="犬または猫の仰向けレントゲン画像。胃の位置に丸い異物が写っており、誤飲が疑われる。" />

レントゲン(仰向け)での胃内異物

 

<img src="レントゲン(横から)での胃内異物.png" alt="犬または猫の横向きのレントゲン画像。胃内に明るく写る異物が確認でき、誤飲が疑われる。" />

レントゲン(横から)での胃内異物

 

内視鏡下でマグネット(カエル)の存在を確認できたため、そのまま摘出を行いました。

 

<img src="内視鏡下でのマグネット(カエル).png" alt="犬または猫の内視鏡画像。消化管内にカエル型の緑色のマグネットが詰まっている様子が映っている。" />

内視鏡下でのマグネット(カエル)

 

どちらの事例も治療が成功し、最終的に事なきを得ることができました。しかし、場合によっては命に関わることもあるため、誤飲が疑われる場合は先ほどご紹介した「2.緊急時の対応フロー」に従い、適切な対応をとるようにしましょう。

 

まとめ

犬や猫の誤飲は、すぐに対応することが重要です。症状や誤飲物を確認し、危険な症状が見られる場合や危険物を誤飲してしまった場合は、直ちに動物病院を受診しましょう。

 

また、様子を見る場合も24時間は定期的に愛犬や愛猫の様子を観察し、何か異変が見られた場合や不安がある場合などは、遠慮なく当院までご連絡ください。

 

 

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