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愛犬の咳が止まらない…動物病院に行くべき?|考えられる原因と対処法を症状別に解説

愛犬がゴホゴホと咳をしているのを見ると、「病気ではないか」と心配になるものです。特に咳が長引いたり、呼吸が荒くなったりすると、飼い主様としては不安が募りますよね。犬の咳には、風邪のような軽い症状から、心臓や肺の疾患など重篤な原因が隠れている場合もあります。

 

今回は、犬の咳や呼吸が荒いときの代表的な原因や、症状ごとの特徴、さらに飼い主様が自宅でできる応急処置や動物病院を受診すべきタイミングなどについて詳しく解説します。

 

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■目次
1.愛犬の咳が止まらない・呼吸が荒い時の主な原因について
2.症状別の特徴と考えられる原因
3.飼い主様ができる応急処置と注意点
4.動物病院を受診すべきタイミング
5.まとめ

愛犬の咳が止まらない・呼吸が荒い時の主な原因について

犬の咳や呼吸が荒くなる原因はさまざまです。ここでは、重症度が低いものから順に、代表的な原因を解説します。

 

<風邪(ケンネルコフ)>

犬も人間と同じように風邪をひくことがあります。軽い咳やくしゃみが見られる場合は、いわゆる「ケンネルコフ」と呼ばれる感染症が疑われます。特に子犬や免疫力が低下している犬に多く見られ、適切に対処しないと肺炎に進行することもあります。

 

<鼻炎>

アレルギーや感染症が原因で鼻炎を起こし、鼻水や咳が見られる場合があります。特に季節の変わり目には、アレルギー性鼻炎が悪化することがあります。

 

<気管支炎>

寒い季節や感染症が原因で気管支に炎症が起き、咳が続く場合があります。気管支炎には、風邪などの感染性のものと、アレルギー性のものがあります。

 

<肺炎>

肺に感染症が広がると、重い咳や呼吸困難が見られることがあります。肺炎は放置すると命に関わる場合があるため、早期の診断と治療が必要です。

 

<気管虚脱(上部気道疾患)>

特に小型犬で多く見られる病気で、気管がつぶれることで激しい咳を引き起こします。「ガーガー」とアヒルが鳴くような咳が特徴です。

 

<心臓病>

高齢犬に多い心臓病は、心臓が肥大して気管を圧迫したり、心機能が低下して肺に水が溜まる(肺水腫)ことで、咳が出ることがあります。特に僧帽弁閉鎖不全症などの弁膜症が原因となることが多く、放置すると命に関わります。

 

<肺腫瘍>

犬でも高齢になると肺に腫瘍ができることがあります。肺癌など肺そのものの腫瘍の場合と体のほかのところにある癌が転移した場合とがあります。また、腫瘍ではありませんが、レントゲン検査で肺腫瘍のように見える咳の原因として肺の一部が捻じれる肺葉捻転があります。いずれも詳細な評価としてはCT検査や組織生検が必要となります。

 

咳は小型犬や高齢犬でよく見られる症状で、特に高齢犬では肺腫瘍や心臓の疾患の可能性が高くなります。原因がわからないまま咳が続く場合は、早めに動物病院で診察を受けましょう。

 

症状別の特徴と考えられる原因

犬の咳や呼吸の症状は、パターンによって考えられる原因が異なります。それぞれの特徴については以下の通りです。

 

<乾いた咳が続く>

乾いた咳が夜間や運動後にひどくなる場合は、気管虚脱や気管支炎が疑われます。

 

<痰の絡んだ咳が出る>

咳が湿っていて痰が絡むような場合は、肺炎や気管支炎が原因である可能性があります。

 

<運動時に咳が出る>

運動中や運動後に咳が出る場合は、心臓の問題が考えられます。心臓病では、運動後に咳だけでなく疲れやすさや呼吸困難が見られることもあります。

 

<呼吸が荒い>

呼吸が早く、肋骨が目立つ、口で呼吸をするなどの症状が見られる場合は、肺炎や心臓病の可能性があります。

 

飼い主様ができる応急処置と注意点

愛犬が咳をしているとき、飼い主様が自宅でできる対処法はいくつかあります。ただし、症状が重い場合や改善しない場合は、必ず動物病院を受診してください。

 

<湿度管理>

乾燥した空気は咳を悪化させる原因となるため、加湿器を使用して室内の湿度を50~60%程度に保つようにしましょう。

 

<安静の確保>

激しい運動は咳を悪化させることがあるため、愛犬を静かな環境で安静に保つことが重要です。

 

<温かい環境の維持>

寒さは咳の原因や症状を悪化させるため、愛犬が過ごす場所を暖かくしてあげてください。

 

<酸素缶の使用>

緊急時に呼吸が苦しそうな場合、人用の酸素缶を使用して一時的に酸素を補給することもできます。ただし、これは応急処置に過ぎないため、必ず動物病院で適切な治療を受けてください。

 

動物病院を受診すべきタイミング

以下の症状が見られる場合は、早急に動物病院を受診することが必要です。

 

<呼吸困難>

呼吸が非常に苦しそうで、舌が青紫色になる、眠れず座っている、横になれないといった症状がある場合は緊急対応が必要です。

 

<食欲不振や元気消失>

食欲がなく、元気がない場合は、病気が進行している可能性があります。特に咳と併発している場合は注意が必要です。

 

また、夜間や休日の場合でも、緊急性が高い場合はすぐに救急病院を受診してください。日頃からかかりつけ医を持つことで、緊急時にも迅速な対応が可能になります。

また、当院ではCT検査や心エコーを用いた正確な診断を行っています。咳の原因を調べる場合には、これらの検査が非常に有効です。

 

当院の犬と猫のCT・MRI検査についてはこちらから

 

まとめ

犬の咳や呼吸が荒い症状は、軽度の風邪から命に関わる心臓病まで、さまざまな原因が考えられます。特に高齢犬や小型犬では、肺や心臓の問題が隠れている場合が多いため、早期の診察が重要です。

 

ご家庭では湿度管理や安静を心がけつつ、症状が改善しない場合や悪化している場合は、すぐに動物病院で診察を受けましょう。日頃から愛犬の健康状態を観察し、異常に気づいたら早めに対応することが、愛犬の健康を守る鍵となります。

 

 

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