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保護犬や猫の迎え方完全ガイド|里親になる前に知っておきたい健康と環境のポイント

「保護犬を迎えたい」「保護猫を飼いたい」と思ったことはありませんか?

 

近年、犬や猫を家族の一員として迎え入れる際に、保護動物の里親になるという選択肢を選ぶ飼い主様が増えています。その背景には、飼育者の高齢化や多頭飼育崩壊、さらには経済的な事情などにより飼育放棄される犬や猫の増加という、深刻な社会問題があります。

 

保護犬や保護猫を迎えるということは、命を救い、新しい家庭で再び愛情を受けられる機会を与えるという、非常に意義深い行動です。その一方で、保護動物にはペットショップ出身の犬や猫とは異なる背景があるため、迎え入れる際には特有の注意点や配慮が求められます。

 

今回は、保護犬・保護猫を家族として迎え入れる前に知っておくべきポイントなどについて、健康管理や環境面を中心に、獣医師の視点から詳しく解説します。

 

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■目次
1.保護犬や猫とペットショップ出身の違い
2.新しい家族を迎える準備
3.迎えた直後に起こりやすい変化とストレス反応
4.健康チェックと病院での相談
5.飼い主様にできる日常ケアと獣医師との連携
6.まとめ

 

保護犬や猫とペットショップ出身の違い

保護犬や保護猫の里親になるにあたって、まず理解しておくべきことは、ペットショップ出身の犬や猫とは異なる点が多く存在するということです。

 

<ペットショップの場合>

犬や猫の生年月日や出身地、両親の情報、これまでに受けたワクチンや健康診断などの医療履歴が明確に記録されており、比較的安心して飼い始めることができます。また、多くの場合は子犬や子猫のうちに新しい家庭へ迎えられるため、性格や行動面の適応も比較的スムーズです。

 

<保護動物の場合>

保護されるまでの経緯がさまざまで、過去の飼育環境や健康状態、医療履歴が不明であるケースも少なくありません。さらに、迎え入れるタイミングではすでに成犬・成猫であることが多く、すでにある程度の性格や行動傾向が形成されています。そのため、しつけや社会性の面で課題がある場合もあります。

 

これらの違いを理解し、「里親になる」という選択に責任を持って臨むことが、犬や猫と飼い主様の双方にとって幸せな生活を築く第一歩になります。

 

新しい家族を迎える準備

保護犬や保護猫を迎える際は、以下のように迎えた後の生活環境や家族の理解・協力体制などをしっかりと整えておく必要があります。

 

<家族全員の同意を得る>

中にはサプライズで犬や猫を迎え入れたいと考える飼い主様もいらっしゃいますが、保護動物の多くは過去にトラウマを抱えていたり、特定の環境に不安を感じやすかったりすることがあります。そのため、家族会議を開いてライフスタイルの確認をしたり、飼育に必要な役割分担を明確にしたりすることで、後々のトラブルを防ぐことができます。

 

<住環境の整備>

保護動物の中には警戒心が強く、人との関わりに慣れていない犬や猫も少なくありません。迎えて間もない時期は、脱走しようとする行動が見られたり、クレートの奥にこもって出てこなかったりすることがあります。そのため、フェンスやゲートを設置して脱走を防止したり、一人で静かに過ごせる休息スペースを確保したりするなど、安心できる環境づくりを心がけましょう。

 

さらに、以下のような基本グッズの準備も忘れてはいけません。

 

<基本グッズの準備>

・ケージやクレート
・トイレ用品
・食器や給水器
・フード(保護先で与えられていたものに近いものから始めるのが望ましい)
・ベッドやブランケットなどの寝具

 

これらの準備が整って初めて、保護動物が新しい家庭に馴染みやすくなります。

 

迎えた直後に起こりやすい変化とストレス反応

犬や猫は、環境の変化に対して非常に敏感です。特に保護犬や保護猫は、これまでに安心できる場所を持てなかった経験がある場合も多いため、新しい環境に慣れるまでには時間がかかります。

 

お迎え直後に見られる主なストレス反応として、以下のような行動が挙げられます。

 

・食欲がない
・下痢や軟便が続く
・家具や物陰に隠れる
・来客や物音に過敏に吠える

 

これらの行動は「保護犬がなつかない」と誤解されがちですが、実際には慣れない環境に対する防衛反応であることがほとんどです。そのため、できる限り恐怖心を与えないよう、無理に抱いたり、声をかけたりするのではなく、静かで落ち着ける空間を確保し、必要最低限のお世話のみにとどめるようにしましょう。

 

また、人の出入りが少ない場所にクレートを設置するなどして、安心して過ごせる「自分の居場所」を提供してあげることが大切です。

 

ただし、「水を飲まない」「食事を摂らない」「下痢が続く」といった症状が3日以上継続する場合には、何らかの疾患が隠れている可能性もあるため、早めに動物病院を受診するようにしましょう。

 

健康チェックと病院での相談

保護犬や保護猫を迎えた際には、できるだけ早く動物病院で健康診断を受けることを強くおすすめします。

 

なぜなら、保護動物はワクチン接種歴や寄生虫予防歴が不明なことが多く、外で生活していた期間が長い場合には、ウイルス性疾患や内部寄生虫に感染している可能性も否定できないからです。

 

そのため、初診時には、以下のような項目を確認するとよいでしょう。

 

・血液検査による健康状態の評価
・寄生虫検査(糞便検査・フィラリア検査など)
・体重測定と栄養状態の確認
・今後のワクチン接種スケジュールの相談

 

フィラリア予防の重要性や予防方法についてより詳しく知りたい方はこちら

 

さらに、飼い方や今後のケアに関する不安があれば、遠慮せず獣医師に相談してください。

 

当院では、CTやMRIなどの先端医療機器を備えており、保護動物の健康状態を精密に評価することが可能です。特に高齢の保護犬猫や、ケガや病気の既往歴が疑われる場合には、より正確な診断が重要ですので、お困りの際はぜひご相談ください。

 

犬と猫のCT・MRI検査の重要性や当院の設備についてより詳しく知りたい方はこちら

 

飼い主様にできる日常ケアと獣医師との連携

保護動物を迎え入れた後も、日々の観察とケアはとても大切です。特に、以下のような点には日常的に注意を払いましょう。

 

・食欲の有無や食べ方の変化
・排泄の回数や状態
・普段と違う行動やしぐさの有無

 

これらの小さな変化を見逃さないことが、病気の早期発見につながります。

 

また、定期的な健康診断や予防接種などの予防医療を継続的に行うことも忘れないようにしましょう。

 

ノミやマダニ予防の重要性や予防方法についてより詳しく知りたい方はこちら

 

なお、動物病院は病気を治すだけでなく、日常のケアやしつけに関する相談窓口でもあります。獣医師と飼い主様が協力して、犬や猫の心と体の健康を支えることが、安心した毎日を送るための大きな力になります。

 

まとめ

保護犬や保護猫には、それぞれに異なる過去があり、迎える際には特有の配慮や専門的な健康チェックが必要です。簡単なことではありませんが、そのぶん新しい家族として少しずつ心を通わせ、信頼関係を築いていく過程は何ものにも代えがたい大切な時間となります。

 

当院では、清潔な環境と専門性の高い医療体制で、飼い主様と保護動物の新たな生活をサポートしています。保護犬や保護猫の飼い方や健康管理についてご不安な点がありましたら、どうぞお気軽に当院までご相談ください。

 

 

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