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2026.05.15|ライフサポート情報
水を飲まないのは要注意|犬や猫の脱水症状と病気の関係を解説
「最近、水をあまり飲まない気がする」「なんとなく元気がない」と感じたことはありませんか。こうした変化に気づいたとき、不安を抱かれる飼い主様も多いかと思います。
犬や猫の脱水症状は、見た目だけでは判断しにくく、気づかないまま進行してしまうケースも少なくありません。元気そうに見えても、体の中では水分バランスが崩れている場合があります。
また、脱水は単なる水分不足ではなく、体の異常が表れた“結果”として起こることもあります。つまり、「水を飲まない」という変化の背景には、何らかの病気が関係している可能性もあるという視点が大切です。
今回は犬と猫の脱水症状について、原因や病気の関係性、日常でできる水分摂取の工夫と予防などをご紹介します。
■目次
1.脱水とは?犬や猫の体で起こっていること
2.犬や猫の脱水症状とチェック方法
3.水を飲まない・脱水につながる原因
4.脱水の裏に隠れている病気とは?
5.よくある見逃しパターンと受診の目安
6.日常でできる水分摂取の工夫と予防
7.まとめ
脱水とは?犬や猫の体で起こっていること
脱水とは、体内の水分と電解質のバランスが崩れている状態を指します。体の水分は血液や細胞の働きを支えており、不足すると全身に影響が及びます。
軽度の段階でははっきりとした症状が表れにくい一方で、進行すると血流が悪くなったり、臓器の働きが低下したりすることがあります。さらに悪化すると、命に関わる状態へとつながる可能性も否定できません。
また、犬や猫は人のようにのどの渇きを言葉で伝えられません。そのため、飼い主様が日常の変化から気づく必要があります。
なお、シニア期の犬や猫や持病がある場合は、水分バランスが崩れやすく、より注意が求められます。
犬や猫の脱水症状とチェック方法
脱水は以下のようにさまざまなサインとして表れます。日常の中で気づけるポイントを知っておくことが大切です。
・元気がない
・食欲が低下している
・ぐったりしている
特に猫でぐったりした様子が見られる場合は注意が必要です。
また、口の中の状態も重要なヒントになります。歯ぐきが乾いていたり、触ると粘つくように感じたりする場合は、水分が不足している可能性があります。さらに、目が落ちくぼんで見えることもあります。
なお、ご家庭でできるチェック方法としては、以下のポイントが参考になります。
・皮膚を軽くつまんで離したとき、元に戻るのが遅い
・歯ぐきが乾燥している、もしくは粘ついている
・尿の量が減っている、または色が濃くなっている
これらのサインが複数当てはまる場合には、体の中で水分が不足している可能性があります。
中でも、皮膚をつまんで戻りを確認する方法は、ご自宅でも行いやすいチェックです。
ただし、シニア期の犬や猫や体格によっては判断しづらい場合もあります。そのため、ひとつのサインだけで判断するのではなく、いくつかの変化をあわせて見ることが大切です。
水を飲まない・脱水につながる原因
脱水の背景には、以下のようないくつかの要因が関係しています。
<飲水量の低下>
環境の変化やストレスがかかったり、器の位置や形状が合っていなかったりすると、水を飲む量が減ることがあります。また、フードの内容によっても摂取できる水分量は変わります。特に猫はもともと飲水量が少ない傾向があるため、小さな変化に気づきにくい点に注意が必要です。
<体からの水分喪失>
嘔吐や下痢が続いたり、発熱があったりすると、体の外へ水分が失われやすくなります。このような状態では、飲水量が変わらなくても脱水が進んでしまうことがあります。
<暑さや環境による影響>
気温や湿度が高い環境では、体温調節のために水分が多く使われます。特に夏場は、気づかないうちに脱水が進むケースもあり、注意が必要です。
このように、脱水は単純な水分不足だけでなく、さまざまな要因が重なって起こります。そのため、「水を飲まない」という変化が見られた際には、生活環境だけでなく体調面にも目を向けていくことが大切です。
脱水の裏に隠れている病気とは?
脱水は、それ自体が病気というよりも、さまざまな疾患に伴って表れるサインのひとつです。
脱水の背景にある代表的な病気は、以下のように整理できます。
<腎臓病>
体内の水分バランスを保つ働きが低下し、慢性的に脱水状態になりやすくなります。水を多く飲んでいても、うまく体内にとどめられないケースもあります。
<糖尿病>
水をたくさん飲んでいるように見えても、体の中で水分が十分に活用されず、結果として脱水が進むことがあります。多飲多尿とあわせて注意が必要です。
<膵炎>
食欲が落ちたり、嘔吐が見られたりすることで、十分に水分が摂れなくなり、脱水につながりやすくなります。
<消化器疾患>
下痢や嘔吐によって体の水分が急激に失われるため、短時間で脱水が進むことがあります。状態の変化に早めに気づくことが大切です。
このように、脱水は単なる水分不足ではなく、体の中で何らかの不調が起きているサインとして表れることがあります。そのため、脱水が疑われる場合には、背景にある原因にも目を向けることが大切です。
よくある見逃しパターンと受診の目安
脱水は気づきにくいため、見逃されてしまうことも少なくありません。
例えば、「少しは水を飲んでいるから問題ない」と判断してしまったり、「夏バテや年齢の影響だろう」と考えてしまったりするケースがあります。
また、猫はもともと水をあまり飲まないため、異変に気づくのが遅れる傾向があります。
しかし、半日から1日ほど経っても状態が改善しない場合や、ぐったりしている様子が見られる場合は注意が必要です。
さらに、排尿の変化や食欲低下が重なっている場合は、早めに動物病院へ相談することが望まれます。
なお、飲水量の低下や排尿の異常は、猫の膀胱炎とも関連することがあります。こうした症状が見られる場合には、以下の記事とあわせてご確認いただくと理解が深まります。
日常でできる水分摂取の工夫と予防
日頃から水分をしっかり摂れる環境を整えることは、脱水の予防につながります。具体的には、以下のような工夫が有効です。
・新鮮な水を複数の場所に設置し、いつでも飲める環境を整える
・静かで落ち着いた場所に水を置き、安心して飲めるようにする
・ウェットフードを取り入れたり、ドライフードをふやかしたりして食事から水分を補う
・器の素材や高さを見直し、飲みやすい状態に調整する
なお、これらはあくまで日常的な予防やサポートです。
飲水量の低下が続いたり、体調の変化が見られたりする場合には、体の不調が関係している可能性もあるため、早めに動物病院に相談することが大切です。
まとめ
犬や猫の脱水は、水分不足というよりも、体の異常が表れたサインのひとつです。日常の小さな変化に気づくことで、早期発見につながります。
「水を飲まない」「元気がない」といった違和感を軽く考えず、必要に応じて早めに相談することが重要です。無理に様子を見続けるよりも、適切なタイミングでの受診が、犬や猫の負担軽減につながります。
なお、当院では犬や猫の負担をできるだけ抑えた検査や診察を心がけながら、それぞれの状態に合わせた対応を行っています。気になる変化がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
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千里桃山台動物病院
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