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2025.01.07|ライフサポート情報
【獣医師監修】子猫の離乳食ガイド|正しい進め方と注意点
子猫の離乳食は、成長における大切なステップです。特に保護猫を迎えた場合、健康的な成長を支えるためには離乳食の進め方に注意が必要です。適切な栄養を与えることで、健全な発育を促し、将来的な健康問題の予防にもつながります。
今回は子猫の離乳食について、始める時期や進め方、よくある問題などをご紹介します。
■目次
1.離乳食を始める時期と準備
2.離乳食の進め方〜ステップバイステップ
3.よくある問題と対処法
4.子猫の離乳食期に見られる病気と予防
5.まとめ
離乳食を始める時期と準備
子猫の離乳食を始める適切な時期は、生後4〜6週齢が目安です。この時期になると、子猫は母乳だけでは栄養が不足しがちになります。
生後3週ごろに体重が500g以上になり、歯が生え始め、固形物に興味を示すようになったら、離乳食を始めるサインです。
食器は浅い皿やスプーンが適しています。子猫用の離乳食は市販のものと自家製のものがありますが、栄養バランスを整えるのは非常に難しいため、市販の離乳食をお勧めします。
子猫は消化機能が未熟なため、最初は柔らかくて消化しやすい離乳食を与えるとよいでしょう。母猫からの自然な離乳とは異なり、人間が介入して進める場合は、子猫の個々のペースに合わせて慎重に進める必要があります。
離乳食の進め方〜ステップバイステップ
<ミルクから離乳食への移行>
生後3週ごろに歯が生えてきたら、子猫用ミルクに少量のペースト状の離乳食を混ぜて与えます。徐々に離乳食の割合を増やし、ミルクの割合を減らしていきます。また、ミルクの与え方も哺乳瓶からお皿に移行していきましょう。
ただし、離乳食を食べなくても満足するまでミルクは与えるようにしましょう。これにより、栄養不足になることを防ぎます。
<柔らかい固形食への移行>
ミルクなしでペースト状の離乳食を食べられるようになったら、柔らかい固形食(例えば、ふやかした子猫用ドライフードやウェットフード)を少しずつ与えます。ペースト状の離乳食に少しずつ混ぜると進めやすいでしょう。目安は生後6週ごろです。
<固形食への完全移行>
生後9週ごろに歯が生え揃うと、最終的には、固形食のみで栄養を摂取できるようにします。しかし、このステップアップは数週間かけてゆっくりと進めることが大切です。
1日の給餌回数は、最初は4~6回に分けて少量ずつ与えます。適切な量は、子猫の体重や成長具合に応じて調整します。また、体重が減っていないか、毎日測って記録しておきましょう。
よくある問題と対処法
<食べない>
子猫が離乳食を食べない場合はミルクの割合を増やして、段階を戻し、再度試してみましょう。また、食事の温度を少し温めると食欲が増すことがあります。
<下痢や嘔吐が起きた>
新しい食べ物に対する反応として、下痢や嘔吐が起きることがあります。この場合は、一旦離乳食を中止し、ミルクに戻して様子を見ます。症状が続く場合は獣医師に相談してください。
<体重増加が思わしくない場合>
子猫の体重が増えない場合は、食事の量や頻度を見直し、必要に応じて高カロリーの離乳食を与えます。
<食べ過ぎてしまう場合>
食べ過ぎは消化不良を引き起こすことがあります。適切な量を守り、食事回数を増やすなどして調整しましょう。
<むせる・咳き込む>
食事中にむせたり咳き込んだりする場合は、食べ物の大きさや硬さを見直し、柔らかくて小さな一口サイズにすることが重要です。一段階戻して、しばらくしてから進めてみてもよいでしょう。
子猫の離乳食期に見られる病気と予防
【よく見られる不調】
<消化器系の不調>
離乳食期には消化器系の不調が起きやすいです。無理をせずに離乳食のステップアップを進め、新鮮で衛生的な食事を与えるよう心がけましょう。
<感染症>
子猫は免疫力が低いため、感染症にかかりやすいです。清潔な環境を保ち、他の猫とは隔離して過ごさせましょう。
【免疫力を高める方法】
バランスの取れた食事と適切な栄養補給が免疫力を高めます。総合栄養食と記載のあるものは、猫が必要な栄養素を満たしています。市販品を選ぶ際は、この記載を参考にしましょう。
【衛生管理のポイント】
排泄物や食べ残しはすぐに片付けましょう。お尻や手足に汚れがつきやすいため、足拭きシートなどで綺麗に保ちます。また、外に遊びに行かせるのも避けた方が良いでしょう。
【予防接種】
離乳食期には予防接種が必要です。猫の重篤な感染症に対してはいくつかのワクチンがあり、推奨される接種時期や回数も決まっています。また、ワクチンプログラムを適切に行うことで、感染症のリスクを減らすことができます。獣医師と相談し、予防接種を行いましょう。
まとめ
子猫の離乳食は、健康な成長を支える重要なプロセスです。適切な時期に始め、無理に進めず、それぞれのペースに合わせて進行することが鍵となります。特に保護猫の場合、栄養状態が不十分である可能性もあるため、慎重に進めることが求められます。
また、日々の観察を欠かさず、何か異常を感じたら早めに獣医師に相談しましょう。
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