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2025.11.21|ライフサポート情報
チワワの健康ガイド|元気で長生きするために知っておきたいこと
小さな体とクリッとした瞳が特徴的なチワワ。犬種人気ランキングでも常に上位にランクインするなど、その可愛らしい見た目と飼いやすさから、多くの飼い主様に愛されている犬種です。実際に、当院がご紹介している「人気の飼育犬種ランキング」の記事でも、チワワは不動の人気を誇っています。
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しかし、体が小さい分だけ注意すべき点も多くあります。特有の骨格構造や体質から、チワワがかかりやすい病気が存在し、日常のケアや早期発見・早期治療が健康寿命を延ばす鍵となります。
そこで今回はチワワについて、性格や特徴、かかりやすい病気、ライフステージごとのケア方法などを解説します。
■目次
1.チワワの特徴と性格
2.チワワに多い病気①|膝蓋骨脱臼(パテラ)
3.チワワに多い病気②|水頭症と神経症状
4.チワワに多い病気③|心臓病・咳・歯周病など
5.チワワのライフステージ別ケア|子犬期〜老犬期まで
6.まとめ
チワワの特徴と性格
チワワの外見や性格、特徴は以下の通りです。
<外見>
チワワはメキシコ原産の犬種で、体重は1〜3kg程度と非常に小柄な体格をしています。そのため「世界一小さい犬種」としても知られており、愛らしい外見が魅力です。
頭は丸みを帯びた「アップル・ヘッド」と呼ばれる形をしており、足や骨格も非常に細いです。この細さゆえに、転倒や高所からの落下による骨折のリスクが高いため、生活環境には注意が必要です。
<性格>
非常に活発で、好奇心旺盛です。自分より大きな犬にも物おじしない一面もあります。ただし、寒さやストレスに対しては弱い傾向があり、体が震える様子が見られることがあります。この「震え」はチワワ特有の体質によるものが多く、必ずしも寒さだけが原因ではありません。緊張や不安、低血糖など、さまざまな要因が考えられるため、日常の観察が重要です。
<特徴>
チワワは食が細い傾向にあり、特に子犬期には食事をうまく摂取できないことで低血糖を起こすこともあります。こうした特性を理解し、適切な飼育環境を整えることが健康管理の第一歩となります。
チワワに多い病気①|膝蓋骨脱臼(パテラ)
チワワを含む小型犬でよく見られる整形外科疾患に「膝蓋骨脱臼(パテラ)」があります。これは膝のお皿(膝蓋骨)が本来の位置からずれてしまう病気で、後ろ足をスキップするように歩くなどの症状が見られることがあります。
先天的な骨格の異常が原因となることが多いですが、滑りやすい床や高低差のある家具など、生活環境の影響で悪化することも少なくありません。放置すると慢性的な関節炎や、歩行困難へと進行する可能性があるため注意が必要です。
また、膝蓋骨脱臼は重症度によってグレード1〜4に分類され、それぞれで適した治療法が異なります。
<当院の診断・治療方法>
当院ではCTやMRIを用いた詳細な画像診断により、正確なグレード評価を実施しています。さらに、可能な限り犬の体に負担をかけない低侵襲手術にも対応しており、それぞれに合った最善の治療プランをご提案しています。
犬と猫のCT・MRI検査の重要性や当院の設備についてより詳しく知りたい方はこちら
チワワに多い病気②|水頭症と神経症状
チワワはその頭の形状から、脳脊髄液が過剰にたまりやすく、「水頭症」と呼ばれる病気を発症しやすい傾向があります。この病気は脳の内部に水分(脳脊髄液)が過剰にたまることで、神経に異常が生じる疾患です。
水頭症の症状には、以下が見られることがあります。
・ふらつき
・旋回行動(同じ方向にぐるぐる回る)
・視線が合わない
・頭がドーム状に膨らむ
また、進行性の病気であるため、早期発見・早期治療が非常に重要です。
<当院の診断・治療方法>
当院では、MRIなどの高度な画像診断装置を用いて、神経疾患の評価・診断を正確に行っています。診断結果をもとに、犬への負担を最小限に抑えた治療法を検討し、症状の進行を抑えることを目的とした適切な対応を行っています。
チワワに多い病気③|心臓病・咳・歯周病など
チワワがシニア期に差しかかると、特に注意すべきなのが心臓病です。中でも「僧帽弁閉鎖不全症」は、チワワをはじめとした小型犬に多く見られる代表的な心臓疾患です。この病気は、心臓の弁がしっかり閉じなくなることで血液が逆流し、心臓に負担がかかる病気です。
初期段階では無症状のこともありますが、進行すると以下のような症状が見られるようになります。
・咳
・疲れやすい
・呼吸が荒くなる
犬の咳や呼吸が荒いときの原因についてより詳しく知りたい方はこちら
さらに、心臓病が進行すると、他の臓器への負担を引き起こす可能性もあるため、早期診断・定期検査が何よりも重要です。
また、チワワは口が小さい構造のため、歯石が溜まりやすく、歯周病にもなりやすい傾向があります。歯周病が悪化すると、菌が血管内に入り込み、心臓へ悪影響を及ぼすリスクもあります。
<当院の診断・治療方法>
健康寿命を延ばすためには、以下のような検査やケアが欠かせません。
・心エコー検査による心臓の定期的なチェック
・歯科検診や歯石除去による口腔内ケア
・血液検査やレントゲン検査を組み合わせたトータル評価
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犬と猫の口臭と歯石除去(スケーリング)についてより詳しく知りたい方はこちら
当院では、CTや心エコー、デジタルレントゲンなど、先端の医療機器を完備しており、チワワの健康を総合的にサポートしています。
チワワのライフステージ別ケア|子犬期〜老犬期まで
チワワの平均寿命は約13〜15歳といわれています。小さな体であるため、些細な変化が命に関わることもあるため、各ライフステージに適したケアを行うことが大切です。
<子犬期の場合>
・低血糖を起こしやすいため、食事の間隔を空けすぎないようにする
・環境の変化に敏感なため、静かで安心できる空間を整える
・白っぽい毛色の個体では「涙やけ」が目立ちやすく、目元をこまめに拭くなどのケアが必要
犬の涙やけについて原因から予防法についてより詳しく知りたい方はこちら
<成犬期の場合>
・病気の予防を意識した生活を習慣化する
・膝の健康を維持するために、滑らない床材の使用を検討する
・歯の健康を維持するために、歯ブラシなどのデンタルケアグッズを取り入れる
・定期的な健康診断を年に1回受ける
<老犬期の場合>
・心臓・腎臓・関節などの慢性疾患リスクが高まるため、定期的な健康診断を年に2回受ける
・体調の変化を見逃さないように日々の観察を徹底する
・必要に応じて食事内容や生活リズムの見直しを行う
どのライフステージにおいても、「様子が少しでもおかしい」と感じたら、早めに動物病院を受診することが重要です。
まとめ
チワワはその小さな体の中に、たくさんの魅力と同時に多くの繊細さを抱えています。寒さやストレスに敏感で、震えやすい、食が細いといった行動にも、実は病気のサインが隠れている可能性があります。
大切な家族であるチワワと、できるだけ長く健康に過ごすためには、日頃のケアに加えて定期的な健康診断が欠かせません。
当院では、CTやMRIといった高度な画像診断装置を活用し、犬にやさしい低侵襲な治療を行っています。また、予防医療や早期発見にも力を入れており、飼い主様と一緒にチワワの健康を支えるサポートを行っています。
もし、チワワの体調や行動について気になることがありましたら、お気軽に当院までご相談ください。飼い主様と愛犬がいつまでも健やかに暮らせるよう、全力でお手伝いさせていただきます。
<参考>
https://www.jkc.or.jp/breeds/chihuahua/
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