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雷が鳴ったらどうする?|犬や猫の音恐怖症状を和らげる対策法

雷が鳴り始めたとき、犬や猫が突然震え出したり、家具の下やケージの奥などに隠れて出てこなくなったりしたことはありませんか?

 

実は、雷の「音」や「光」、さらには「気圧の変化」などにより、強い不安や恐怖を感じる犬や猫は多く、なかにはパニック状態になってしまう子もいます。

 

このような状態は「雷恐怖症(音恐怖症の一種)」と呼ばれ、重度の場合には嘔吐や下痢、パニックといった音恐怖症状が現れるため、適切に対処することが大切です。

 

今回は犬や猫に見られる雷恐怖症について、症状やご家庭でできる対策法、留守番時の工夫、動物病院に相談すべきケースなどをご紹介します。

 

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■目次
1.雷恐怖症の主な症状
2.雷が鳴っている時の対処法
3.留守番中の対策
4.動物病院に相談すべき状況
5.よくある質問(FAQ)
6.まとめ

 

雷恐怖症の主な症状

雷恐怖症は、雷の「音」「光」「振動」、そして「気圧の変化」などの刺激により、強い恐怖心を抱いてしまう状態です。症状には個体差があり、以下のような反応が見られることがあります。

 

・震える
・落ち着きがなくなる
・鳴き続ける
・隠れたり、逃げようとしたりする
・呼吸が速くなる
・よだれを垂らす
・粗相をする
・消化器症状(嘔吐や下痢など)
・パニックを起こす(噛みつき・物の破壊行動など)

 

恐怖が極度に高まると、まれに発作や失神といった神経的な症状が現れることもあります。

 

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雷が鳴っている時の対処法

残念ながら、雷に対する恐怖心を完全になくす治療法はありません。そのため、雷が鳴っていたら、以下のような対応で不安を軽減することが大切です。

 

<落ち着いて行動する>

一番大切なのは、飼い主様が動揺せずに普段通りに過ごすことです。飼い主様が不安な様子を見せてしまうと、その緊張感が犬や猫にも伝わり、恐怖心が増す可能性があります。

 

<安全な場所を確保する>

犬や猫は不安を感じると、狭くて暗い安全な場所に逃げ込む習性があります。普段からクレートやキャリーバッグに慣らしておくと、雷のときにも落ち着いて過ごせます。
また、クレートには布をかけたり、部屋のカーテンを閉めたりして光や音を少しでも遮断すると、より安心できる環境になります。

 

<無理に関わらず、そっと見守る>

雷に驚いてパニックになると、噛みついたり、物を壊したりすることがあります。そのような状態で無理に触れたり、抱っこしたりしようとすると、さらに興奮させてしまい、状況が悪化する恐れがあります。

 

また、そうした行動を叱ったり、無理に押さえつけたりすると、雷への恐怖心がさらに強まり、飼い主様との信頼関係に影響することもあります。そのため、無理に関わろうとせず、落ち着くまでそっと見守るようにしましょう。

 

留守番中の対策

留守番中に雷が鳴ると、飼い主様がいるときに比べてより強い不安を感じやすくなります。
そのため、留守にする際は以下のような対策をすることで、雷の音や光による刺激を緩和することができます。

 

・カーテンや雨戸を閉める
・テレビなどで大きな音を流したりしておく
・危険物(割れ物や倒れやすい家具など)を片付けておく
・網戸は破って脱走する恐れがあるため、窓はしっかり施錠する
・パニック時でも安心して過ごせるよう、クレートを使用する
・留守番中はリードをつながない(首に絡まる危険があるため)

 

特に雷による恐怖心が強い子は、留守中の脱走や事故のリスクが高くなるため、安全面に配慮した環境づくりが欠かせません。

 

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動物病院に相談すべき状況

前述したように、雷恐怖症自体を完全に治療する方法はありませんが、動物病院では恐怖に伴う身体的な異変や精神的な不安に対するサポートが可能です。

 

以下のような症状が見られる場合は、早めに動物病院へご相談ください。

 

・嘔吐、下痢、食欲不振などの消化器症状が出ている
・けいれん、失神、極度の興奮状態
・雷のたびにパニック状態になり、日常生活に支障をきたしている

 

これらの症状に対しては、獣医師の判断により抗不安薬やサプリメントの使用を提案することがあります。また、症状が重度の場合は、症状の緩和を目的とした対症療法を行うこともあります。

 

なお、これらの方法は「完全に恐怖を取り除く」ものではなく、あくまで恐怖心を軽減する「補助的な手段」であることを理解しておきましょう。

 

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よくある質問(FAQ)
Q:雷恐怖症は治りますか?

A:完全に「治る」とは言えませんが、ご家庭での対応やトレーニングによって症状が軽減される場合があります。日頃から大きな音に慣らす練習や、安心できる環境づくりが効果的です。

 

Q:雷恐怖症がある犬や猫は、一生怖がりますか?

A:必ずしもそうとは限りません。年齢や経験、環境の影響によって反応は変わる可能性があります。ただし、雷に対する対応を間違えると恐怖が強化されてしまうため、飼い主様の行動も重要です。

 

Q:子犬・子猫の頃からできる予防法はありますか?

A:あります。子犬や子猫のうちからクレートトレーニングを行ったり、動画などを使って雷の音を聞かせて慣らすトレーニングをしたりすることで予防できるケースもあります。また、雷が鳴ったときに飼い主様は怖がらず、冷静に過ごすことも大切です。

 

まとめ

犬や猫の雷恐怖症は一度発症すると、完全に治すことは難しいため、ご家庭での環境づくりや適切な対応が症状の軽減には欠かせません。特に子犬や子猫のうちからクレートトレーニングや音慣れのトレーニングを行い、日頃から安心できる環境を整えておくことが大切です。

 

また、雷が鳴ったときは飼い主様が落ち着いて対応し、犬や猫の恐怖を増幅させないよう心がけましょう。ただし、嘔吐やけいれん、極度のパニックなど、明らかに身体的な異常が見られる場合は、飼い主様だけで解決しようとせず、動物病院に相談しましょう。

 

当院では、雷恐怖症に対する環境の整え方やトレーニング方法、お薬の使用に関するご相談を承っております。ほかにも、子犬のうちから社会性や音への慣れを身につけられるよう、パピー教室も定期的に開催しています。

 

不明点やご不安なことがありましたら、お気軽にご相談ください。

 

 

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