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2026.03.26|ライフサポート情報
猫のマーキング行動とは?原因とやめさせ方、受診の目安を解説
愛猫が「急にトイレ以外でおしっこをするようになった」と感じたことはありませんか。これまで問題なくトイレを使用していた愛猫が、突然壁や家具に尿をかけるようになると、多くの飼い主様が戸惑いや不安を感じると思います。
実際に動物病院でも「トイレ以外でおしっこをするようになった」というご相談は少なくありません。しかし、このような行動のすべてが排尿トラブルや泌尿器の病気によるものとは限りません。猫の場合、マーキング行動と呼ばれる本能的な行動として表れるケースも多くみられます。
マーキングは単なる困った行動ではなく、猫の気持ちや生活環境の変化を伝えるサインとして表れることがあります。そのため、正しい理解がないまま対処してしまうと、かえって行動が悪化してしまう可能性もあります。
そこで今回では、猫のマーキング行動とはどのようなものなのかをはじめ、猫がマーキングをする主な理由、飼い主様ができる対策、さらに動物病院を受診する目安などについてご紹介します。
■目次
1.猫のマーキング行動とは?
2.猫がマーキングをする主な理由
3.マーキング行動で見られる特徴
4.飼い主様ができる対応と環境調整
5.やってはいけないNG対応
6.受診の目安と医療的視点
7.まとめ
猫のマーキング行動とは?
猫のマーキングとは、自分の縄張りや存在を示すために尿を使ってニオイを残す行動を指します。多くの場合、猫は壁や家具などの垂直な場所に向かって立った姿勢のまま、少量の尿を吹き付けるように排出します。
通常の排尿では、猫はトイレに入りしゃがんだ姿勢で、ある程度まとまった量の尿を出します。これに対してマーキングでは、量が少なく、スプレーするようにかけるのが特徴です。
マーキングは去勢をしていないオスに多くみられる行動です。これは縄張り意識や繁殖行動と深く関係しているためです。しかし、去勢済みのオスであってもマーキングを行う場合があります。また、メスの猫でも同様の行動が見られることがあります。
つまり、マーキングは特定の猫だけに起こるものではなく、環境や心理状態によって多くの猫に起こり得る行動だと理解しておくことが大切です。
猫がマーキングをする主な理由
猫がマーキングを行う理由は一つとは限りません。多くの場合、環境や心理的な要因が関係しており、いくつかの要素が重なって行動として表れることもあります。
<マーキングをする理由>
・縄張り意識
・環境の変化(引っ越し、家具配置変更、来客など)
・多頭飼育によるストレス
・発情やホルモンの影響
・不安や恐怖
猫は自分の生活空間をとても大切にする動物です。そのため、新しい家具が増えたり、模様替えをしたり、引っ越しをしたりすると、環境の変化に不安を感じてマーキングを行う場合があります。また、来客が続いたり、新しい動物が家に来たりすると、縄張りを守ろうとして行動が強まるケースもあります。
さらに、多頭飼育の環境では猫同士の距離感がうまく保てず、ストレスがたまりやすくなります。その結果、自分の存在を主張するためにマーキングをする場合もあります。
このように、猫のマーキング行動は単純な問題行動ではなく、環境や心理状態を反映した行動である場合が多いのです。
マーキング行動で見られる特徴
マーキング行動には、通常の排尿とは異なるいくつかの特徴があります。これらを理解しておくと、行動の背景を判断する際の手がかりになります。
まず、マーキングでは壁や家具、カーテンなどの垂直な場所に尿をかける傾向があります。さらに排出される尿の量は少なく、前述したようにスプレーするように吹き付けるのが特徴です。
また、同じ場所で繰り返しマーキングすることもよく見られます。これは、ニオイが残っている場所を再び自分の縄張りとして示そうとするためです。
一方で、マーキングをしている猫の多くは、トイレ自体は問題なく使用できています。そのため、トイレの利用が完全にできなくなるケースとは少し状況が異なります。
なお、これまで問題のなかった猫が、ある日突然マーキングを始める場合もあります。急な変化を見ると病気を疑う飼い主様も多いですが、実際には環境やストレスが関係していることも少なくありません。ただし、泌尿器の病気が隠れている可能性もあるため、慎重に様子を見ていく必要があります。
飼い主様ができる対応と環境調整
マーキングは本能的な行動ですが、生活環境を整えたり生活リズムを見直したりすることで、行動が落ち着く場合があります。まず大切なのは、猫が安心して生活できる環境を整えることです。
例えば、静かに過ごせるスペースを確保したり、落ち着ける場所を用意したりすると、猫の不安が和らぐ場合があります。また、トイレ環境を見直すことも重要です。トイレの数や設置場所、清潔さを確認し、猫が安心して使える状態を保つようにしましょう。
生活リズムを整えることも有効です。日中におもちゃで遊んだり運動をさせたりしてエネルギーを発散させたり、食事の時間を一定にしたりすると、猫の生活が安定しやすくなります。
多頭飼育の場合には、猫同士の距離感も大切です。食事場所やトイレ、休息スペースを分けたり、それぞれが安心して過ごせる環境を作ったりすることで、ストレスが軽減されることがあります。
また、マーキングされた場所の清掃も重要です。ニオイが残っていると、同じ場所に再びマーキングしてしまうことがあるため、適切な方法でしっかり掃除を行いましょう。
<清掃方法>
・ペーパータオルやペットシーツなどで、叩くようにしてすぐに尿を吸い取る
・クエン酸水や酵素系のペット用消臭スプレーを吹きかける
・乾いたあとに水拭きをする
・最後に完全に乾かす
やってはいけないNG対応
猫がマーキングをしてしまった際、焦って対処すると逆効果になる場合があります。以下のような対応は避けるようにしましょう。
・叱る、怒鳴る
・マーキングされた場所をそのままにする
・トイレを急に減らす
・環境変化をさらに増やす
・原因を特定せず対処法を試し続ける
叱ったり怒鳴ったりすると、猫は強いストレスを感じてしまいます。その結果、不安が増し、マーキング行動がさらに頻繁になる場合があります。
また、原因を十分に考えないまま対策を繰り返すと、問題が長引くこともあります。マーキングを減らすためには、行動の背景にある原因を理解し、それに合った対応を行うことが大切です。
受診の目安と医療的視点
マーキングのように見える行動でも、実際には泌尿器の病気が関係しているケースがあります。そのため、以下のようなサインが見られる場合は、早めに動物病院へ相談することをおすすめします。
<受診の目安>
・急に始まった場合
・排尿時に痛そうな様子がある場合
・血尿や頻尿を伴う場合
動物病院では、まず尿検査などを行い、膀胱炎や尿石症などの泌尿器疾患がないかを確認します。さらに、生活環境やストレス要因を丁寧に確認しながら、行動面と医療面の両方から原因を評価していきます。
マーキングは単なる行動の問題として片付けられるものではなく、身体的な問題と心理的な問題が関係している可能性があります。そのため、気になる症状が見られた場合は、自己判断せずに早めに獣医師へ相談することが重要です。
まとめ
猫のマーキング行動は、単なる困った行動ではなく、猫の気持ちや環境の変化を伝えるサインとして表れることがあります。縄張り意識や生活環境の変化、多頭飼育によるストレス、ホルモンの影響など、さまざまな要因が関係しているため、原因に合わせた対応を行うことが大切です。
また、マーキングのように見える行動の中には、膀胱炎や尿石症などの病気が関係している場合もあります。急に始まったり、排尿時に痛そうな様子が見られたり、血尿や頻尿がある場合には、早めに動物病院で検査を受けることが大切です。
猫の行動の変化には、必ず理由があります。もしマーキングが続いて困っている場合や、病気の可能性が気になる場合は、早めに動物病院へ相談することが大切です。当院では猫の排尿トラブルや行動の変化についても丁寧に診察しておりますので、気になる症状がありましたらお気軽にご相談ください。
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