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【獣医師監修】猫の血尿、放置は危険?|考えられる原因と治療法
猫の血尿は泌尿器のどこかに異常が起こると見られる症状で、放置すると危険な状態に陥ることもあります。例えば、トイレに行く回数が多すぎる、尿の色が変、粗相が増えたといった変化から病院を受診するケースが多いため、日頃からよく観察し、早期の段階で治療につなげることが大切です。
今回は猫の血尿について、考えられる原因や病気、予防と日常的なケアなどを解説します。
■目次
1.血尿に気づくためのポイント
2.考えられる原因と病気
3.緊急性の判断
4.予防と日常的なケア
5.受診時に伝えるべきこと
6.まとめ
血尿に気づくためのポイント
泌尿器に異常が起こると、トイレにまつわるさまざまな変化が見られるようになります。
<トイレの様子の変化>
・排尿姿勢をとるのに尿がほとんど出ない
・トイレ以外の場所で排尿してしまう
<尿の色や性状の変化>
・尿の色がピンク色や赤色になっていたり、濁ったりしている
<行動の変化>
・トイレで鳴く
・短い時間に何回もトイレに行く
これらの変化が見られた場合、日付や時間、症状をメモに取っておきましょう。尿の色や性状がいつもと違う場合は、写真に残しておくと診察時に役立つことがあります。
また、猫砂を使っていて尿の色がよくわからない場合は、ペットシーツや白色の紙の砂に変更すると観察しやすくなります。
考えられる原因と病気
猫に血尿が見られた場合、主に以下の病気が疑われます。
<膀胱炎>
猫では、特発性膀胱炎がよく見られます。ストレスが大きく関連していると考えられていて、去勢済みのオス猫や肥満の猫、神経質な子で発症しやすいといわれています。メス猫や高齢の猫では細菌感染による膀胱炎もよく見られます。
<結石>
膀胱や尿道などの粘膜に結石が接触することで傷がつき、血尿が見られます。結石にはいくつか種類がありますが、猫ではストルバイト結石とシュウ酸カルシウム結石ができやすいといわれています。
また、水を飲む量が減ると膀胱内に尿が長くとどまり、結石が作られやすくなります。結石が詰まって完全に排尿できなくなると、数日で亡くなってしまうケースもあるため、注意が必要です。
<腫瘍>
猫の泌尿器系にできる腫瘍のほとんどは腎臓腫瘍ですが、発生率はさほど高くありません。しかし、リンパ腫や腎細胞癌といった悪性腫瘍が多く、血尿以外にも多飲多尿や食欲不振、おなかが張るなどの症状が見られます。
進行すると転移をしたり手術が難しくなったりするため、いかに早く発見できるかによって予後が大きく異なります。
緊急性の判断
尿が全く出なくなってしまうと、本来尿と一緒に体の外に排泄されるはずの老廃物や毒素がどんどん体内に溜まり、すぐに対処しなければ命にかかわります。そのため、尿が全く出ていない場合は直ちに動物病院を受診しましょう。
また、オス猫は尿道が細く長いため、小さな結石でも詰まってしまう恐れがあります。そのため、オス猫の場合は血尿に気がついた時点で、なるべく早めに病院を受診しましょう。
予防と日常的なケア
血尿を予防するためには、飼い主様による日ごろのケアが大切です。
<十分な水分摂取>
猫は砂漠地帯出身の動物であるため、もともと水分摂取量が少なめです。さらに、水の種類や温度、食器の素材などへのこだわりが強い子が多いため、愛猫に合った水飲み場を用意しましょう。また、冬場は特に飲水量が減ってしまうため、暖かい部屋に水飲み場を設置する、水分量が多いウェットフードを混ぜるなどの工夫をしましょう。
<適切な食事管理>
年齢や体重などに合った栄養バランスのとれたフードを選び、ミネラル分の多いおやつや人間の食べ物などは与えるのを控えましょう。
当院では栄養バランスのとれたプレミアムフードや、病気や症状に合わせた療法食の取扱いを行なっており、その子その子にあった食事を提案しております。お困りの際はぜひご相談ください。
<ストレスの軽減>
猫は繊細な性格なので、トイレ環境や生活環境に大きなストレスを感じる傾向にあります。環境ストレスは特発性膀胱炎のリスクとなるため、ストレスの元を取り除きつつ、トイレは常に清潔に保つ、トイレの数を見直す(基本は飼育頭数+1個)などの工夫をしましょう。
<定期的な健康チェック>
血尿を完全に予防する術はないため、定期的に病院で健康チェックを行い、いち早く異常に気がつけるようにしておきましょう。
受診時に伝えるべきこと
動物病院ではまず問診を行います。以下の項目を伝えられるようにしておきましょう。
・症状の経過や気づいたタイミング
・普段の生活習慣や食事内容
・過去の病歴や気になる行動の変化
・トイレの回数や様子の変化
前述したとおり、その都度メモを取ったり動画や写真を撮ったりしておくと、より正確に情報を伝えることができます。また、原因を調べるために尿検査は非常に重要です。病院を受診する際に尿を持っていくことをお勧めします。
まとめ
猫の血尿を予防するためには、日頃からストレスのかからない生活を心がけ、定期的に健診を受けることが重要です。また、飲水量やトイレの様子、尿の状態などに変化がないかよく観察し、いち早く異常に気がつけるようにしておきましょう。
当院ではCTをはじめ、大学病院レベルの検査機器を揃えており、迅速・正確な診断・治療を実施しております。そのため、愛猫に血尿が見られた場合は、なるべく早めに当院までご相談ください。
年中無休で動物たちの健康をサポートします
千里桃山台動物病院
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