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犬のお腹が膨らむ理由とは?もしかして病気?|気になる症状の見分け方

愛犬のお腹が膨らんでいることに気づいたとき、飼い主様は不安を感じることでしょう。「病気かもしれない」と心配になるのは当然ですが、必ずしも深刻な状態とは限りません。犬のお腹が膨らむ原因はさまざまで、軽度のものから緊急性の高い症状まで幅広く存在します。

 

今回は犬のお腹が膨らむ主な原因や、危険な症状の見分け方、適切な対処法などについて詳しく解説します。

 

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■目次
1.犬のお腹が膨らむ主な原因について
2.緊急性の高い症状とは?
3.お腹が膨らむ症状への対処法
4.動物病院へ行くべきタイミング
5.まとめ

犬のお腹が膨らむ主な原因について

犬のお腹が膨らむ原因には、以下のようにいくつかの可能性が考えられます。中には緊急対応が必要なケースもあるため、原因ごとの特徴を正しく理解することが重要です。

 

<肥満>

犬のお腹が膨らんで見える最も一般的な原因です。食事の量や運動不足が主な原因で、脂肪が蓄積することでお腹が目立つようになります。肥満は、見た目の問題だけでなく、心臓病や関節への負担を増やすなど健康面でさまざまなリスクを伴います。適切な食事管理と運動が不可欠です。

 

<妊娠>

メス犬の場合、妊娠によってお腹が大きくなることがあります。妊娠の初期段階では見た目の変化はわかりにくいものの、中期以降になるとお腹が徐々に膨らんでくるのが特徴です。乳腺が張ってくる、普段とは異なる行動が見られるなどの妊娠の兆候が現れることもあります。

 

<胃腸の不調>

犬がガスや食べ物で胃腸に負担をかけた場合、お腹が一時的に膨らむことがあります。例えば、消化しにくい食べ物を食べた場合や、早食いによって空気を飲み込んでしまった場合に発生しやすいです。胃腸の不調が原因であれば、食事内容を見直すことや、食事を小分けにして与えることで改善が見込めます。

 

<腹水>

お腹の中に溜まってきた液体を指します。これは、肝臓や心臓の疾患、腫瘍などが原因で発生することが多く、単なる体重増加ではなく急激にお腹が膨らむのが特徴です。腹水が原因でお腹が膨らんでいる場合は、緊急性が高い可能性があるため、速やかに動物病院で診察を受ける必要があります。

 

これらの原因の中には、自然に改善するものと、早急に治療が必要なものもあります。お腹の膨らみがいつから始まったのか、その他の症状があるのかを観察し、必要に応じて動物病院を受診しましょう。

 

緊急性の高い症状とは?

犬のお腹が膨らむ原因の中でも、特に注意すべき緊急性の高い症状が「胃捻転」です。胃捻転は胃がねじれて血流が遮断される状態で、主に大型犬に多く見られます。この疾患は命に関わる危険な状態で、早急な対応が必要です。胃捻転を引き起こすと、以下のような症状が見られます。

 

<お腹が硬くなる>

胃捻転の場合、お腹を触るとお腹がパンパンに張って硬くなっていることが多いです。また、犬がその部分を触られるのを嫌がり、痛がる様子を見せることもあります。

 

<痛みのサインを見せる>

胃捻転の犬は強い痛みを感じ、落ち着かない様子を見せたり、体を丸めてうずくまったりすることがあります。

 

<吐き気を催すが嘔吐しない>

胃捻転では吐き気を催すことが多いものの、胃がねじれているため実際には嘔吐物が出ないことがあります。こうした症状が食後すぐに現れた場合は、特に注意が必要です。

 

胃捻転は短時間で命を落とす可能性がある疾患です。これらの症状が見られた場合は、一刻も早く動物病院で診察を受けてください。

 

お腹が膨らむ症状への対処法

犬のお腹が膨らむ症状は、原因や程度によって対処法が異なります。原因や症状の程度に応じた具体的な対処法は以下の通りです。

 

<軽度の症状の場合>

肥満や軽い胃腸の不調が原因の場合、自宅でのケアで改善できることがあります。食事量を見直し、低脂肪で消化に良い食材を取り入れるようにしましょう。また、早食いを防ぐために、フードボウルを工夫したり、一度の食事量を小分けにして与えたりすることも効果的です。さらに、日常的に適度な運動を取り入れることで、健康的な体重管理が可能になります。

 

<中等度の症状の場合>

膨らみが急に現れたり、膨らみが明らかに大きかったりする場合は、動物病院での診察を受けることをお勧めします。例えば、腹水や持続的な胃腸の不調が疑われる場合、専門的な検査や治療が必要です。

 

<重度の症状の場合>

お腹が大きく膨らみ、緊急性の高い症状(硬くなったお腹、痛み、吐き気など)が見られる場合は、速やかに動物病院へ連れて行ってください。自宅で様子を見るのは非常に危険です。

 

動物病院へ行くべきタイミング

犬のお腹が膨らむ症状を見たとき、動物病院へ行くべきか判断するのは難しい場合があります。以下を参考に、受診のタイミングを見極めましょう。

 

<様子を見ても大丈夫なケース>

肥満や一時的な胃腸の不調であれば、自宅でのケアで様子を見ることが可能です。ただし、数日経っても改善しない場合や症状が悪化する場合は、動物病院で診察を受けることをお勧めします。

 

<すぐに受診が必要なケース>

お腹が硬くなっている、犬が痛がる、嘔吐や吐き気が続くなどの症状がある場合は、すぐに動物病院を受診してください。特に胃捻転や腹水が疑われる場合は、一刻を争う緊急事態です。

 

飼い主様が普段から愛犬の健康状態を把握しておくことで、異常に気づきやすくなります。日頃から食欲や排泄の様子、体の触り心地などを観察することで、異常があった際に迅速に対応できるようになります。

 

まとめ

犬のお腹が膨らむ原因はさまざまで、必ずしも病気とは限りませんが、中には緊急性の高いケースもあります。そのため、飼い主様は愛犬の肥満や妊娠、胃腸の不調などの一般的な原因について理解し、適切な対処法を知ることが大切です。

また、緊急性の高い症状が見られた場合には、速やかに動物病院を受診してください。愛犬の健康を守るために、日頃からの観察と早めの対処を心がけましょう。

 

 

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