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猫が食べない・口が痛そう|症状と原因、考えられる病気とは

猫がごはんを食べなくなったり、口を痛そうにしていたりする姿を見ると、飼い主様としては心配になりますよね。猫は本来、体調不良を隠す傾向があるため、明らかに症状が現れている場合には、すでに何らかの病気が進行している可能性があります。特に口腔内の問題は、日常の観察で気づきにくいため、見逃してしまうことが少なくありません。

 

今回は、猫が口を痛そうにしているときに見られるサインや原因と病気、自宅でできるケアなどを解説します。

 

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■目次
1.食欲不振と口の痛みのサイン
2.考えられる原因と病気
3.自宅でできるケアと観察のポイント
4.受診のタイミング
5.まとめ

食欲不振と口の痛みのサイン

猫の口腔内の異常は、日々の食事や行動に変化として現れることがあります。これらの異常に飼い主様がいち早く気づくためには、以下のようなポイントを押さえることが大切です。

 

<食事の様子の変化>

・食べる速度が遅くなり、途中で食べるのをやめる
・よだれが増えて、口元が湿っていることが多い
・フードをこぼす、飲み込みにくそうにする
・片方の歯で噛む、または食べ物を転がすように扱う

 

これらの症状は、口腔内に痛みや違和感を感じている可能性があります。特に、食事の途中で顔をしかめたり、首を傾げるような動作が見られたりする場合は注意が必要です。

 

<行動の変化>

・口周りを触られるのを嫌がる
・口を前足でこすったり気にするしぐさが増えたりする
・グルーミングの頻度が減少し、被毛がぼさぼさになる
・鳴き声が低くなる、または鳴く頻度が減る
・活動量が落ち、寝ている時間が増える

 

例えば、「以前はおやつを喜んで食べていたのに、口を近づけるだけで食べない」といった日常の些細な変化も、病気のサインである可能性があります。そのため、飼い主様が日常的に観察し、普段の行動を記録しておくと、異変に気づきやすくなります。

 

考えられる原因と病気

猫の口腔内に問題がある場合、考えられる原因には以下のようなものがあります。

 

<歯周病>

歯と歯茎の間に細菌が溜まり、炎症を引き起こす病気です。進行すると歯茎が赤く腫れたり、出血したりすることがあります。また、口臭が強くなるのも典型的な症状です。重度になると歯が抜け落ちたり、顎の骨が融けて骨折したりすることもあります。

 

<口内炎>

口腔内に炎症が生じ、痛みを伴うため、食事を取ることが困難になります。原因にはウイルス感染や免疫異常が含まれる場合が多いです。痛みが強い場合には食事を完全に拒否することもあります。

 

<腫瘍>

口腔内や顎周辺に腫瘍ができる場合があります。扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)などの悪性腫瘍は進行が早いため、早期発見と治療が重要です。しこりが触れる場合や、口腔内に明らかな異常が見られる場合には早急な対応が求められます。

 

犬と猫の腫瘍治療についてはこちらから

 

<好酸球性肉芽腫症候群(こうさんきゅうせいにくげしゅしょうこうぐん)>

唇や口腔内、皮膚に潰瘍やしこりができる病気で、ノミやアレルギーが関与しているとされています。ただし、はっきりとした原因は分かっていません。進行すると食欲低下や痛みを伴う場合があります。

 

いずれの病気も、症状が軽いうちに治療を開始することで、猫の負担を軽減することができます。

 

自宅でできるケアと観察のポイント

猫の健康を守るためには、日常的なケアや観察が欠かせません。

 

<口腔ケア>

歯磨きが可能な場合には、獣医師に相談しながら専用の歯磨き用品を使用しましょう。猫が嫌がる場合は、無理に行わず、デンタルケア用のおやつやジェルを活用するのも一つの方法です。

 

<食事の工夫>

柔らかいフードやウェットフードを与えることで、痛みを感じにくくすることができます。また、ぬるま湯でフードをふやかして与えるのも効果的です。

 

犬と猫のフードの選び方のポイントについてはこちらから

 

<日々の観察>

前述したとおり、猫は痛みを隠しやすい動物です。そのため、食事中の様子や鳴き声、行動の変化を観察することが重要です。いつもと違う仕草や態度を見つけたら、記録しておくと受診時に役立ちます。

 

受診のタイミング

猫の症状が軽度である場合は、数日間様子を見ることも可能ですが、以下のような場合には早急に動物病院を受診する必要があります。

 

<受診が必要な症状>

・食事を完全に拒否し、体重が減少している
・口から血が出ている
・鼻血が出ている
・口臭がひどくなり、歯や歯茎に明らかな異常が見られる
・歯が欠けている、抜け落ちている

 

これらは早期に適切な治療を行うことで、猫の負担を大きく減らすことができます。例えば歯周病の場合、早期であればデンタルケアや薬で症状の改善が期待できますが、進行すると抜歯が必要になることもあります。腫瘍の場合も、早期発見が治療の成功率を大きく左右します。そのため、愛猫に少しでも異常が見られたら、すぐに獣医師に相談しましょう

 

まとめ

猫の食欲不振や口腔内の痛みは、歯周病や口内炎、腫瘍といった病気の初期症状である場合があります。飼い主様が日常的に猫の行動や様子を観察し、小さな異変にも気づくことが、健康を守る第一歩です。早期に発見し、適切なケアを行うことで、猫の生活の質を大きく向上させることができます。

大切な家族である猫の健康を守るために、飼い主様としてできることを一緒に取り組んでいきましょう。お困りの際は、ぜひ当院までお気軽にご相談ください。
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