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猫の尿が出ない!?|危険な尿閉の症状と緊急対応

尿閉とは尿意があるにもかかわらず尿がほとんど、あるいは全く出ない状態のことで、治療が遅れると生命に関わる可能性があります。特にオス猫での発生が多く、いち早く病気のサインに気がつくことが何よりも大切です。

 

しかし、どのようなサインが見られたら病院を受診すべきかよくわからない、という飼い主様も多いのではないでしょうか。

 

今回は愛猫の尿閉について、症状や原因、検査方法、治療方法などをご紹介します。

 

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■目次
1.尿閉のサインと症状
2.緊急性が高い理由
3.考えられる主な原因
4.予防のためにできること
5.動物病院での検査
6.治療方法
7.まとめ

尿閉のサインと症状

尿閉のサインは、トイレの異常を中心に現れます。

 

・尿に血液が混じる
・頻繁にトイレに行くのに排尿できない様子
・痛がる、鳴く、落ち着かないなどの行動変化
・おなかを触らせない、うずくまるなどの姿勢の特徴

 

尿閉には、残尿はあるものの少量ならば尿が出る「不完全閉塞」と、膀胱に尿が溜まっているのにまったく尿が出ない「完全閉塞」があります。このうち、完全閉塞が続くと体内に老廃物や毒素が溜まり、直ちに対処しなければ命に関わります

 

緊急性が高い理由

尿閉によって体内に老廃物や毒素が溜まると、食欲の低下や嘔吐、下痢、口臭、貧血などが見られるようになります。そして重度になると神経症状が見られるようになり、数日で亡くなってしまいます

 

また、尿閉を放置すると腎臓がダメージを受け、急性腎障害を起こすこともあります。急性腎障害を引き起こすと、突然元気や食欲が消失したり、嘔吐や下痢といった消化器症状が現れたりします。

 

これらは急速に進行するため、直ちに対応しなければそのまま命を落としてしまったり、命が助かっても慢性腎臓病へ進行したりします。

 

考えられる主な原因

尿閉は主に結石や結晶、血液や炎症産物の塊などが詰まったり、腫瘍や炎症による腫れが尿路を塞いだりすることで起こります。特にオス猫は尿道が細いため、尿閉を起こしやすい傾向にあります。

 

また、ストレスなどの環境要因は、尿閉の原因となる病気のリスクを高めます。猫は神経質な性格の子が多く、環境の変化や騒音、運動不足などに大きなストレスを感じる傾向にあります。

 

予防のためにできること

尿が膀胱に溜まる時間が長くなると結石ができやすくなります。そのため、いつでも新鮮な水を飲めるようにして十分に水分を摂取させ、トイレを常に清潔に保ち、トイレを我慢させないようにしましょう。

 

予防のためにはストレスを溜めないことも大切です。原因が取り除けるものであれば取り除き、原因がわからない場合は、静かに落ち着いて過ごせる寝床を用意したり、適度にスキンシップをとったりして、愛猫が安心して過ごせるような環境づくりをしましょう。

 

また、ミネラル分を過剰摂取してしまうと結晶や結石ができやすくなります。そのため、主食は総合栄養食のみとし、おやつはできるだけ控えましょう。それでも結晶や結石ができる場合は特別な療法食が必要です。

 

ただし、これらをすべて守っていたとしても、絶対に防げるわけではありません。
尿閉は年齢に関係なく起こるため、定期検診を受ける習慣をつけておきましょう。

 

動物病院での検査

尿閉が疑われる場合、以下のような検査を行います。

 

<問診>

いつからどんな症状が見られるかなどを確認

 

<触診>

膀胱に尿が溜まっているか、腹痛があるかどうかを確認

 

<尿検査>

尿が回収できた場合は、結晶や血尿の有無など、尿の性状を確認

 

<X線検査>

膀胱の大きさや結石の有無などを確認

 

<超音波検査>

膀胱や尿道の状態、結石や腫瘍の有無などを確認

 

<CT検査>

腫瘍や腫瘍の転移の有無などを確認

 

<血液検査>

腎機能や全身状態などを確認

 

これらの検査結果によって尿閉の原因や体の状態を把握し、治療方針を決定します。しかし、問診や触診などで緊急性が高いと判断された場合には、詳しい検査よりも閉塞の解除が優先されます。

 

治療方法

一般的には尿道にカテーテルと呼ばれる長い管を入れて生理食塩水を流し入れることで、尿道に詰まっているものを膀胱に押し戻します。そして閉塞が解除できたら、状態に応じて膀胱洗浄を行ったり、カテーテルを残したままにしたりします。処置が終わったら改めてしっかりと検査を行い、点滴や投薬による治療を行います。

 

基本的には全身状態の回復とカテーテルを外して自力排尿ができることを確認できるまで数日間の入院治療が必要になります。また、再発が多い病気であるため、退院した後も通院治療を続けていきます。ただし、何度も引き起こす場合には、手術が選択されることもあります。

 

まとめ

猫の尿閉は緊急性が高く、いち早く病気のサインに気がつくことが大切です。そのため、定期的に健診を受け、万が一尿量が少なかったり尿が全く出なかったりする場合は、すぐに病院を受診しましょう。

 

尿閉の症状は突然に現れることが多く、夜間に緊急処置が必要になるケースもあります。当院では「Life Club(ライフクラブ)」という、千里桃山台動物病院をご利用される方々がより快適に施設を利用できる会員制クラブを設けております。

 

会員様は、通常診察終了後の夜間救急対応(20:00〜翌朝9:00)での診察を受けることができますので、詳細を知りたいなど、何かあればお気軽にスタッフまでお声がけください。

 

当院のLife Club(ライフクラブ)についてはこちらから

 

 

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