ライフサポート情報
2026.05.15|ライフサポート情報
犬や猫の呼吸が苦しそうなときに|見逃したくない危険サインと受診の目安
愛犬や愛猫の「呼吸が荒い」「呼吸が苦しそうに見える」といった変わった様子に気づき、違和感を覚えることもあるのではないでしょうか。
一時的に呼吸が速くなる場面もありますが、中には心臓や肺の病気などが隠れている場合もあります。見た目だけでは判断しづらいため、「様子を見てよいのか」「すぐ受診すべきか」と迷いやすい症状のひとつです。
そこで今回は、犬や猫の呼吸が荒いときに考えられる原因や、ご自宅で様子を見る際のポイント、さらに受診の目安などについて解説します。
■目次
1.犬や猫の正常な呼吸とは?まず知っておきたい基準
2.【犬】呼吸が荒い・ハアハアが止まらないときの主な原因
3.【猫】呼吸が荒い・口呼吸が見られるときの主な原因
4.すぐに動物病院へ相談したい危険なサイン
5.ご自宅でできる対処と注意点|無理をさせないことが大切
6.診断と検査について|早期発見のためにできること
7.まとめ
犬や猫の正常な呼吸とは?まず知っておきたい基準
まずは正常な呼吸の目安を知っておくと、異変に気づきやすくなります。
犬や猫の安静時の呼吸数は、以下が一般的な目安とされています。
犬の場合:1分間に15〜30回程度
猫の場合:1分間に20〜30回程度
眠っているときや落ち着いているときに、この範囲に収まっているかを確認しておくとよいでしょう。
また、犬では体温調節のために「ハアハア」と口を開けて呼吸するパンティングが見られることがあります。ただし、暑い環境にいたり、運動後であったり、興奮している場合には自然な反応です。
一方で猫は通常、鼻で呼吸するため口を開けて呼吸している場合は異常のサインと考えられます。
このように、日頃から呼吸の様子を観察しておくと、「いつもと違う」といった変化に気づきやすくなり、早めの対応につながります。
【犬】呼吸が荒い・ハアハアが止まらないときの主な原因
犬の呼吸が荒くなる背景には、さまざまな要因があります。
まず、暑さや運動後、興奮といった生理的な理由によって一時的に呼吸が速くなることがあります。この場合は、休ませたり涼しい場所に移動させたりすると、時間とともに落ち着いていきます。
しかし、以下のような状態が見られる場合は注意が必要です。
・安静にしていても呼吸が荒い
・ハアハアとした呼吸が長く続く
・夜間や寝ているときも呼吸が速い
このような場合には、心臓病(僧帽弁閉鎖不全症など)や呼吸器疾患、発熱、痛みなどが関係している可能性があります。
また、呼吸の変化はゆっくり進行することもあれば、急に悪化することもあります。いつもと違う状態が続くときは、早めの受診を検討していただくと安心です。
【猫】呼吸が荒い・口呼吸が見られるときの主な原因
猫の呼吸異常は、特に慎重な判断が求められます。猫が口を開けて呼吸している場合は、緊急性の高い状態である可能性があり、注意が必要です。
呼吸異常の原因としては、主に以下が挙げられます。
・肺炎
・猫喘息
・心臓病
・胸水
こうした状態では、十分に酸素を取り込めず、呼吸が苦しそうに表れることがあります。
さらに猫は体調不良を隠しやすい動物でもあるため、呼吸が苦しそうに見える時点で、すでに症状が進んでいるケースもあります。
そのため、「少し様子を見よう」と考えるよりも、できるだけ早めに動物病院へ相談することが大切です。
すぐに動物病院へ相談したい危険なサイン
呼吸の異常の中には、早急な対応が必要なサインもあります。以下のような状態が見られる場合は、速やかに動物病院を受診してください。
・安静時でも呼吸が速く、お腹を大きく動かしながら苦しそうにしている
・舌や歯ぐきの色が紫色や白っぽく見える(チアノーゼ)
・ぐったりしている、食事をとらない、横になるのを嫌がる
・犬でハアハアが止まらない、猫で口呼吸が見られる
これらの症状は、呼吸困難や酸素不足を示す可能性があります。迷った場合でも、早めに相談していただくことが重要です。
ご自宅でできる対処と注意点|無理をさせないことが大切
呼吸が荒いと感じたときは、まず落ち着いて対応することが大切です。無理に何かをしようとするのではなく、呼吸の負担を増やさない環境づくりを意識していきましょう。
まずは、静かな場所で安静にさせ、室温を適切に保つようにします。特に暑い時期は熱中症の影響も考えられるため、涼しい場所へ移動させたりエアコンを使用したりして、体への負担を軽減することが重要です。
また、呼吸が苦しい状態のときに無理に動かしたり抱き上げたりすると、かえって症状が悪化することがあります。そのため、できるだけ刺激を与えず、犬や猫が自分で楽な姿勢を保てるよう見守ることが大切です。
落ち着いた環境が整ったら、呼吸の状態を確認してみましょう。胸やお腹の動きを見ながら呼吸回数を数え、15秒間の回数を4倍すると1分間の呼吸数の目安が把握できます。普段より明らかに多い場合は、異常のサインと考えられます。
なお、一時的に呼吸が落ち着いたように見えても、その後に同じ症状を繰り返したり違和感が続いたりする場合には、なにかしらの病気が隠れている可能性があります。そのため、少しでも不安が残る場合は、早めに動物病院へ相談することをおすすめします。
診断と検査について|早期発見のためにできること
呼吸の異常は原因が多岐にわたるため、見た目だけで判断するのは難しい症状です。そのため、検査によって状態を正確に把握することが重要になります。
一般的には、血液検査やレントゲン検査、超音波検査などを組み合わせて評価します。これにより、心臓や肺の状態、全身の影響を総合的に確認できます。
なお、大阪府吹田市にある当院では、CTやMRIといった高度な画像診断機器を用いて、胸部や呼吸器の状態をより詳しく評価することが可能です。
犬と猫のCT・MRI検査についてより詳しく知りたい方はこちら
また、検査や治療においては、できるだけ動物への負担を抑えることを重視しています。飼い主様と相談しながら進めていくため、不安な点があれば遠慮なくご相談ください。
早い段階で原因を把握できれば、適切な治療につながりやすくなります。
まとめ
犬や猫の呼吸の異変は、見た目だけでは判断が難しく、迷いやすい症状のひとつです。
犬では一時的なパンティングのこともありますが、長く続く場合には注意が必要です。また、猫では呼吸の異常そのものが重要なサインであるケースが多く、より慎重に対応する必要があります。
「少し様子を見よう」と考えているうちに、状態が進行してしまう場合もあります。不安を感じた段階で相談することが、結果的に安心につながります。
なお、当院では呼吸の異常に対して丁寧な診察と検査を行い、原因に応じた適切な対応をご提案しています。気になる変化が見られた際は、どうぞお早めにご相談ください。
年中無休で動物たちの健康をサポートします
千里桃山台動物病院
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