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ダックスフンドの飼い方完全ガイド|性格・健康管理・注意すべき病気を獣医師が解説

「短い足に長い胴体」というユニークな体型に、愛嬌たっぷりの表情や人懐っこい性格をあわせ持つダックスフンド。その魅力から、長年にわたり日本の人気犬種ランキングで常に上位に君臨しています。

 

実際に、当院でも多くの飼い主様がダックスフンドに関心を寄せられ、すでに一緒に暮らしている方やこれから飼い始めたいと考えている方が増えています。そんな中、ダックスフンドは「どんな性格なの?」「注意すべき病気はあるの?」「日常のケアはどうしたら良いの?」というご相談をいただくことも少なくありません。

 

そこで今回はダックスフンドについて、健康管理の方法やかかりやすい病気、そして日々の飼い方のポイントなどをご紹介します。

 

なお、ダックスフンドをはじめとした人気犬種については、以前ご紹介した人気犬種ランキングの記事でも詳しく触れています。こちらもあわせてご覧いただければと思います。

 

日本で人気の飼育犬種ランキングについてより詳しく知りたい方はこちら

 

 

■目次
1.ダックスフンドの基本情報と魅力
2.ダックスフンドの飼い方のポイント
3.ダックスフンドがかかりやすい病気と予防法
4.よくある質問(Q&A)
5.まとめ

 

ダックスフンドの基本情報と魅力

まずは、ダックスフンドがどのような犬種なのか、その基本的な特徴や魅力についてご紹介します。

 

<サイズバリエーションと体型の特徴>

ダックスフンドには体格に応じて以下の3つのサイズ分類があります。

 

スタンダード:9〜12kg程度

ミニチュア:5kg以下

カニンヘン:3〜3.5kg程度

 

体高に比べて体長が長く、体高の約2倍近くにおよぶという胴長短足の体型が大きな特徴です。

 

<被毛の種類とカラーバリエーション>

被毛のタイプは以下のように3種類あります。

 

スムース:短毛で手触りが滑らか

ロング:長く柔らかな毛並み

ワイヤー:硬くてしっかりとした毛質

 

毛色も豊富で、単色(レッドなど)や2色(ブラック&タン、チョコレート&クリームなど)、ダップル(マール)、ブリンドルなど、さまざまなバリエーションが存在します。

 

<性格>

好奇心旺盛で活発に動き回ることが大好きな一方で、飼い主様に対しては非常に愛情深く、家族に対する忠誠心も強い傾向があります。また、もともと狩猟犬として活躍していたこともあり、勇敢で芯のある性格が特徴的です。

 

<歴史的な背景>

ダックスフンドの原産国はドイツです。狭い巣穴に潜むアナグマなどの小動物を狩る目的で改良された犬種で、胴長短足の体型や鋭い嗅覚は、こうした猟犬としてのルーツに由来しています。このような歴史的背景から、運動量が多く、俊敏な動きができる犬種であることも理解しておくと良いでしょう。

 

ダックスフンドの飼い方のポイント

ダックスフンドと快適に暮らすためには、体型や性格に応じた配慮が必要です。特に以下のような日常のケアが欠かせません。

 

<運動管理>

ダックスフンドは活発な犬種である一方、胴長短足の体型ゆえに腰にかかる負担が大きくなりやすいという特徴があります。そのため、日々の適度な運動によって筋力を維持し、体重の管理をすることが大切です。

 

また、散歩は1日2回各30分程度が理想で、ときどきドッグランで自由に走る時間を確保するのもおすすめです。ただし、急なダッシュや段差の多い場所での運動は避け、腰に負担がかからないよう注意しましょう。

 

<食事管理>

適正体重を維持するためには、毎日の食事内容も重要です。ダックスフンドは太りやすい体質のため、総合栄養食を基本とし、1回ごとにしっかり計量して与えるようにしましょう。おやつを与える場合は、その分のカロリーを主食から引くようにし、過剰な摂取を避けるようにしてください。

 

<生活環境の工夫>

室内での生活環境にも注意が必要です。滑りやすい床は転倒や関節への負担を引き起こす原因になるため、カーペットや滑り止めマットを敷くことをおすすめします。

 

また、ソファやベッドの昇り降りが腰に大きな負担となるため、段差のある場所では、スロープを設置するなどの対策が効果的です。抱っこをするときも、体を横向きに支える「横抱き」を意識することで、腰への負担を最小限に抑えることができます。

 

<日常のケア>

ダックスフンドの足裏の毛は定期的に刈るようにしましょう。伸びた毛が肉球を覆ってしまうと滑りやすくなり、転倒のリスクが高まります。月に1回程度を目安に、足裏のチェックとお手入れを習慣にしておくと安心です。

 

また、ロングやワイヤータイプの被毛を持つ個体では、毛玉ができやすく皮膚炎の原因になることもあります。そのため、日々のブラッシングは皮膚の健康を保つうえで非常に大切です。

 

<しつけのポイント>

前述した通り、ダックスフンドは元来猟犬として活躍していたため、警戒心が強く、吠えやすい一面があります。無駄吠えを予防するためには、正しいタイミングでのしつけが重要です。

 

吠えているときに声をかけてしまうと、「吠えれば注目される」と学習してしまうため、吠えている間は静かに無視をし、吠えやんだらすぐにご褒美を与えるといったメリハリのある対応を心がけましょう。

 

ダックスフンドがかかりやすい病気と予防法

ダックスフンドは体型や血統的な背景から、特定の病気にかかりやすい傾向があります。中でも注意すべき代表的な病気は以下が挙げられます。

 

<椎間板ヘルニア>

最も注意が必要な病気が、椎間板ヘルニアです。胴長短足の体型により背骨に大きな負担がかかりやすく、椎骨の間にある椎間板が変形・突出して神経を圧迫することで、痛みや麻痺を引き起こす病気です。

 

初期症状としては、背中を触られるのを嫌がる、歩き方がおかしい、段差を避けるようになるなどの行動が見られます。症状が進行すると後肢の麻痺が起こることもあるため、早期発見が非常に重要です。

 

日常生活では、激しいジャンプや高い場所からの飛び降りを避け、体重管理を徹底することでリスクを減らすことが可能です。

 

犬の椎間板ヘルニアの原因や治療方法についてより詳しく知りたい方はこちら

当院におけるダックスフンドの椎間板ヘルニアの画像診断の症例についてより詳しく知りたい方はこちら

 

<眼科系の遺伝性疾患>

ダックスフンドは進行性網膜萎縮症(PRA)や白内障、緑内障といった目の病気も多く見られます。中でもPRAは、視覚を担う網膜の細胞が徐々に機能を失っていく遺伝性の疾患で、視力が少しずつ低下していきます。

 

目の病気は初期段階では気づきにくいことが多いため、定期的な眼科検診を受けることで早期発見・早期治療につなげましょう。

 

犬の白内障の症状や治療方法についてより詳しく知りたい方はこちら

 

<膝蓋骨脱臼(パテラ)>

膝蓋骨脱臼とは、膝の皿が本来の位置からずれてしまう病気で、小型犬に多く見られます。滑りやすい床や高所からの着地が原因で悪化することがあるため、前述したとおり、生活環境の工夫が発症予防につながります。

 

片足を浮かせて歩いたり、スキップのような歩き方をしていたりする場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

 

<遺伝的疾患と健康管理>

ダックスフンドは、限られた血統内で繁殖されることが多く、遺伝的な病気のリスクが相対的に高まる傾向があります。「血が濃い」状態になりやすいため、眼科疾患や骨・関節の病気が遺伝的に見られるケースも存在します。

 

予防が難しい遺伝病に対しては、日常的な健康チェックと定期検診による早期発見が鍵となります。症状が出る前から意識的に健康状態を把握し、何か気になることがあればすぐに獣医師に相談しましょう。

 

よくある質問(Q&A)

Q:椎間板ヘルニアはどんな症状で気づけますか?

A:背中を触られるのを嫌がる、段差を避けるようになる、歩き方に違和感がある、抱っこしたときに鳴くなどの変化に気づくことが多いです。

 

Q:段差はどの程度まで大丈夫ですか?

A:明確な数値では「5cm程度まで」といわれることもありますが、日常的に段差の昇り降りをしていると少しずつ腰に負担が蓄積します。可能であれば生活スペースから段差をなくすようにしましょう。

 

Q:太りやすいと聞きますが、食事で注意することはありますか?

A:主食は総合栄養食のみを基本とし、おやつはなるべく控えるようにしましょう。毎回フードを計量して与えることで、体重管理がしやすくなります。

 

Q:ダックスフンドは遺伝的な病気が心配ですが、どんなことに注意すべきですか?

A:遺伝性疾患は完全に予防することは難しいため、定期的な健康診断を受けて早期発見を心がけることが重要です。日々の健康チェックもあわせて行いましょう。

 

まとめ

ダックスフンドはそのユニークな体型や明るく愛情深い性格から、長年にわたって多くの飼い主様に愛されている犬種です。しかし、その特徴ゆえに、特有の病気や健康リスクに注意する必要もあります。

 

腰に負担をかけない生活環境を整えることや、適切な食事・運動による体重管理、被毛の状態に応じた日々のケアを徹底することで、病気のリスクを抑えることができます。また、定期的な健康診断を受けることで、目に見えにくい異常を早期に発見し、適切な対応につなげることができます。

 

当院では、ダックスフンドに多い疾患への理解を深めていただくとともに、安心して暮らせるようサポートを行っております。ご不安な点や気になる症状がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

 

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