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犬のリンパ腫とは?|首や足の付け根の腫れなど、気づきやすい変化を解説

「愛犬の首や足の付け根が腫れている気がする」「最近、元気や食欲が落ちているように感じる」といった変化に気づき、不安になった経験はありませんか。

 

このような症状が見られる場合、リンパ腫を起こしている可能性があります。犬のリンパ腫は、動物病院でも比較的多く診断される腫瘍性疾患の一つです。初期の段階では目立った症状が表れにくく、日常生活の中で見過ごされてしまう場合もあります。しかし、首や足の付け根の腫れ、元気の低下などをきっかけに発見されるケースも少なくありません。

 

また、リンパ腫にはいくつかの治療選択肢があり、犬の状態やご家族の希望に応じて治療方針を検討していきます。そのため、病気の特徴や治療の考え方を事前に知っておくと、いざ診断された際にも落ち着いて判断しやすくなります。

 

そこで今回は犬のリンパ腫について、病気の基本的な仕組みから主な症状、診断方法、治療の選択肢などを解説します。

 

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■目次
1.犬のリンパ腫とは?
2.犬のリンパ腫で見られる主な症状
3.飼い主さまが気づいたときにすべき対応
4.やってはいけないNG対応
5.診断方法と治療選択肢
6.受診の目安と治療判断のポイント
7.まとめ

 

犬のリンパ腫とは?

まず理解しておきたいのが「リンパ球」という細胞の役割です。リンパ球は白血球の一種で、体内に侵入した細菌やウイルスから体を守る免疫機能の中心的な役割を担っています。リンパ球は血液やリンパ液に乗って体内を巡りながら、リンパ節や消化管などに多く存在しています。

 

犬のリンパ腫とは、このリンパ球が腫瘍化し、異常に増殖してしまう病気です。リンパ球は全身を巡る細胞であるため、リンパ腫は特定の部位だけでなく、リンパ節や臓器など全身に影響を及ぼす可能性があります。

 

また、犬のリンパ腫にはいくつかのタイプがあり、発生する部位によって特徴が異なります。代表的なタイプには以下のようなものがあります。

 

<多中心型>

犬のリンパ腫の中で最も多いタイプです。首や脇の下、足の付け根など、全身のリンパ節が腫れるのが特徴です。

 

<消化管型>

胃や腸などの消化管に存在するリンパ組織が腫瘍化するタイプです。多中心型に次いで見られることが多く、嘔吐や下痢などの消化器症状が表れる場合があります。

 

<その他のタイプ>

発生頻度は高くありませんが、胸腔内のリンパ節が腫れる「縦隔型」や、皮膚に炎症のような症状が表れる「皮膚型」なども存在します。

 

なお、リンパ腫は中高齢の犬で発生するケースが多い腫瘍ですが、若い犬で発症する場合もあります。そのため、年齢だけで安心するのではなく、体の変化に気づいた際には注意深く様子を確認することが大切です。

 

犬のリンパ腫で見られる主な症状

犬のリンパ腫では、発生する部位によってさまざまな症状が表れます。特に多中心型ではリンパ節の腫れが最も分かりやすい変化として見られることが多いです。

 

主な症状としては、以下のようなものが挙げられます。

 

・首、脇の下、足の付け根などのリンパ節の腫れ
・元気や食欲の低下
・体重減少
・嘔吐や下痢(消化管型の場合)
・呼吸が荒い、咳(胸腔内リンパ節が関与する場合)

 

これらの症状は、病気の進行度や発生部位によって表れ方が異なります。また、リンパ節が腫れていても痛みがほとんどない場合が多いため、犬自身が不調を強く訴える様子が見られないケースも少なくありません。

 

そのため、初期の段階では気づきにくく、飼い主様が体を触った際に偶然しこりに気づく場合もあります。日頃から愛犬の体を触って健康状態を確認する習慣を持つと、小さな変化にも気づきやすくなります。

 

飼い主さまが気づいたときにすべき対応

愛犬の体にしこりや腫れを見つけたとき、まず大切なのは落ち着いて状況を確認することです。そして、できるだけ早めに動物病院へ相談しましょう。

 

受診までの間に、以下のようなポイントを確認しておくと診察の参考になります。

 

・しこりの大きさ
・左右での違い(左右差)
・時間とともに大きくなっていないか
・元気や食欲の変化
・体重の増減

 

このような情報を記録しておくと、病気の経過を把握しやすくなります。

 

また、リンパ腫では痛みが強く表れない場合もあるため、「痛がっていないから大丈夫」と判断してしまうのは危険です。見た目の変化に気づいた段階で受診することが、早期診断につながります。

 

やってはいけないNG対応

しこりや腫れを見つけた際に、自己判断で様子を見る期間が長くなってしまうケースがあります。しかし、腫瘍性疾患の場合、診断や治療の開始が遅れることで選択肢が限られてしまう可能性があります。

 

特に注意していただきたい対応として、以下のようなものがあります。

 

・様子見を長く続ける
・しこりを強く触る、頻繁に揉む
・サプリメントや代替療法のみで対応しようとする
・正確な診断前に治療方針を自己判断する

 

しこりは見た目だけで良性か悪性かを判断することが難しいため、専門的な検査が欠かせません。また、腫瘍の治療は一般的に、手術・抗がん剤治療・放射線治療といった医学的根拠に基づいた方法が中心となります。

 

そのため、インターネットの情報や自己判断だけで対応せず、まずは動物病院で正確な診断を受けることが重要です。

 

診断方法と治療選択肢

犬のリンパ腫は、外見だけで確定診断することはできません。そのため、いくつかの検査を組み合わせて診断を進めていきます。

 

一般的には、次のような検査を行います。

 

・細胞診
・血液検査
・画像検査(レントゲン検査や超音波検査など)

 

細胞診では、腫れているリンパ節に細い針を刺して細胞を採取し、顕微鏡で細胞の状態を確認します。また、体内の状態を詳しく評価するために血液検査や画像検査を行う場合もあります。さらに詳しい診断が必要な場合には、病理検査を実施することもあります。

 

治療については、抗がん剤治療が中心となるケースが多く見られます。抗がん剤治療では、腫瘍細胞の増殖を抑えながら病気の進行をコントロールすることを目的とします。

 

一方で、治療の目的は必ずしも「寛解(完治)」だけではありません。犬の生活の質を重視し、症状を和らげながら穏やかな生活期間を延ばす「緩和治療」を選択する場合もあります。

 

緩和治療は、すでに病気が進行している場合や高齢で積極的な治療が難しい場合などに検討されることがあります。どの治療を選ぶかは、犬の体調や年齢、ご家族の希望などを総合的に考えながら決めていくことが大切です。

 

受診の目安と治療判断のポイント

犬のリンパ腫では、治療を開始するタイミングがその後の選択肢に大きく影響する場合があります。そのため、早い段階で異変に気づき、診断を受けることが重要です。

 

例えば、首や脇の下、足の付け根などのリンパ節の腫れに気づいた場合には、できるだけ早く動物病院へ相談するようにしましょう。また、元気や食欲の低下が続いたり、体重が急に減少したりする場合も注意が必要です。

 

早期に診断できれば、治療の選択肢を広げられる可能性があります。反対に、病気が進行してから見つかった場合には、治療方法が限られてしまうこともあります。

 

そのため、「少し気になる変化がある」と感じた段階で相談することが、愛犬の将来の治療にとって大きな意味を持つ場合があります。

 

まとめ

犬のリンパ腫は、動物病院で比較的多く診断される腫瘍性疾患の一つです。しかし、初期には強い痛みや目立った症状が表れにくく、気づいたときには病気が進行しているケースも少なくありません。

 

首や足の付け根の腫れ、元気や食欲の低下など、日常の中で見られる小さな変化が早期発見のきっかけになる場合があります。そのため、普段から体を触って状態を確認したり、いつもと違う様子がないか観察したりする習慣が大切です。

 

また、リンパ腫は早期に診断できるほど治療の選択肢を広げられる可能性があります。不安や疑問を一人で抱え込まず、獣医師と相談しながら治療方針を考えていくことが重要です。

 

もし愛犬の体にしこりや腫れを見つけたり、元気や食欲の変化が続いたりしている場合には、早めの受診をおすすめします。当院では犬の腫瘍性疾患についても丁寧に診察し、飼い主様と相談しながらその子に合った治療方針をご提案しています。気になる症状がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

 

 

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